ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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どに、切羽詰まっている状況なのだ。
子ども達は、何も言えなかった。
ザザッ、と映像が一瞬乱れた。
《……もっと詳しく話してやりたいが、今私がこの映像を録画している場所も、そろそろ危ない。敵が近づいてきたようだ。だが君達をサポートするため、ザザッ、アイテムをアンドロモンに、ザーッ、きっと君達の役に立つ、ザーッ》
ノイズが酷くなってきた。声も少し焦っているように聞こえる。
色々と、もっと聞きたいことがあるのに、情報を一方的に与えられるだけなんて、拷問である。
光子郎が今にも声を張り上げそうなぐらい、顔を真っ赤にしていた。
《……この世界を救えるのは、君達だけ、ザザッ、ピーッ、頼む、選ばれし、子ども、た、チ……》
ブツン……
映像は、ここで途切れた。
《コウシロウ、と言ったね。そのパソコンを貸しなさい。ゲンナイ様から預かった、便利な機能を君のパソコンにインストールしよう》
光子郎のパソコンが動くようになったのは、常時稼働しているこの工場内を賄っている巨大電池から漏れたエネルギーを、何らかの方法で受信したからだろう、というのがアンドロモンの見解だった。
だから恐らく、ここから離れてしまったら再び停止してしまうだろう、とのこと。
これから先、光子郎のパソコンは必要不可欠なものとなるはずである。
光子郎は目に見えて喜び、誰にも触らせないようにしていたパソコンをあっさりと差し出した。
相手は機械だ、太一と違ってパソコンを乱暴に扱ったりはしないだろう。
巨大なパソコンからコードを取り出し、光子郎のパソコンと繋ぐ。
スクリーンから海に浮かんでいる孤島の映像が消え、代わりに見たことのない文字の羅列が次々と書き込まれていった。
そのスクリーンと同じ文字の羅列が、光子郎のパソコンにも映し出されている。
先程テントモンから教えてもらったデジ文字だ。
何て書いてあるのかなぁ、と興味津々でスクリーンを覗き込む光子郎を、アンドロモンは微笑ましく見つめた。
作業はほんの数分ほどで終わってしまったので、子ども達がゲンナイのことを相談する時間はなかった。
コードを引き抜き、パソコンを光子郎に返す。
子ども達も、興味津々に光子郎の周りに集まった。
「ありがとうございます!」
《追加した機能は先程も言った、ここから離れてもデジタルワールドの空気に漂っている微量なエネルギーをパソコンの電気に変換して使用できる機能だ。残量を気にせず使えるし、ここのメールアドレスも追加しておいたから、何かあったら遠慮なくメールをしなさい。こちらも何か情報を掴んだらメールをするから》
はい、と光子郎は返事をした。
《それから、ゲンナイ様から預かったアイテムだ。デスクトップにアイコ
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