ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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そうしているはずである。
《デジモン達は、いわば君達の“武器”だ。何の力もない子ども達に戦えなんていうほど、我々も非道ではない。むしろこの世界の問題は、本来なら我々が解決しなければならないのだ。だからこそ、我々も出来うる限りのサポートをするつもりだ。デジモン達は、そのサポートの一環だと思ってくれ》
子ども達が返事をすることが出来ないのと同じように、映像のゲンナイは子ども達からの返事を受け取ることは出来ない。
話は、まだ続いていた。
《デジモンは本来、長い年月をかけて次の世代へと進化する。一度進化すれば余程のことがない限り前の世代に戻ることはない》
けれど、パートナーデジモン達は違う、と言う。
《この世界のエネルギーはデータや情報だ。デジモン達が進化するのに、必要不可欠なものだ。だが長い年月を経て強くなるデジモンを育てる余裕は、我々にはない。そこで君達を呼んだのだ。デジモンが進化するのに必要な力を、君達は持っている。デジヴァイスは、君達のその力を増幅、制御し、そしてパートナー達に進化に必要なエネルギーとして与える役割を持っている。君達だけに与えられた、特別な力だ》
本来ならゆっくりと時間をかけて進化するデジモン達だが、邪悪な意志を振り払うために子ども達とそのパートナーに与えられた特権。
時間をかけずに進化を促すから、その反動で退化を引き起こしてしまうらしい。
ゲンナイのその台詞を聞いて、眉を顰めたのは治だけだった。
そしてそんな治に気づいたのは、両隣にいる太一と空だった。
《まずは、そのファイル島に巣食う邪悪な意志を祓ってほしい。ファイル島は総ての始まり、総ての命が生まれる場所と言われている。その島が陥落してしまったら、世界は終わりだ》
半ば脅し文句のようにも聞こえる懇願に、子ども達は息を飲んだ。
《今、私がいるところからでは、君達と直接コンタクトを取ることが出来ないんだ。妨害されているらしい。君達が来る頃までに何とか妨害を退けることが出来ないか、出来る限りのことはするが、もしもそれが叶わなかったときのために、この映像を残しておいたんだ》
どうやら間に合わなかったらしい。
もし間に合っていたら、太一達はもっと早い段階で覚悟を決められただろうし、ゲンナイに文句を言うことが出来ていたであろうに。
《ファイル島に巣食う邪悪な意志を振り払うことが出来たら、きっと君達と会いまみえることが出来ると思う。その時はアンドロモンがいる工場に来てくれ。そうしたらこんな一方的なメッセージなんかではなく、きちんと話をすることが出来るはずだ。私に言いたいことを総てぶつけてくれて構わない。罵倒される覚悟は出来ている》
何処か哀しそうに、でも気丈に振る舞うゲンナイ。
他の世界から助けを求めなければならないほ
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