ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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と帰れねー、ってことだろ?」
「まあ、ざっくり言うとそうだね。でも僕が引っかかってるのはそこじゃないんだ」
「あ?どういうことだ?」
「この世界、ひいては僕達の世界のためにデジモン達と一緒にこの世界を冒険するのは、全然構わないよ。そうしないといけないのなら、僕は喜んでやるよ。お前もだろう?」
「そりゃあ、な。頼まれたら嫌とは言えねえよ。俺らの世界にも影響があるってんなら、何もしねーわけにはいかねーって」
「うん、そうだよな。お前はそう言う奴だ。でもそれはどうでもいいんだ。ああ、どうでもいいってそう言う意味じゃないからな?えーとつまり、僕が言いたいのは、そこじゃないんだ。世界を救うことに関しては、僕も異論はない。そこじゃないんだ、僕が気になっているのは」
ふう、と溜息を吐いて、治は太一と同じ体勢をとり、空を見上げた。
「……ゲンナイさんが言うには、デジモン達が進化するために僕達の力が必要なんだろう?そしてこのデジヴァイスがその手助けをしてくれる……僕はそこが引っかかってね」
「?どういうことだ?」
「引っかかったと言うより、言い方が気になった、と言った方がいいかな?ゲンナイさんの言い方、あれじゃまるで僕達は、デジモン達が進化するためのエネルギー源として呼んだみたいじゃないか」
「何だよ、要するに拗ねてたってことか?」
「おい、何でそうなるんだ!」
「違うのか?」
「……もう、それでいいよ」
後ろにしていた上半身を戻して、また右膝に腕を乗せる体勢を取った。
「僕達を体のいいエネルギー源として呼んだのかって思うと、ちょっとした不信感みたいなものはやっぱ抱いちゃうなーって……」
「お前はそう言うところあるよなー。難しく考えすぎだよ、もうちょっと気楽にいこうぜ?」
「お前は呑気すぎるんだ」
「いいんだよ、いいんだよ。俺はこれで。難しいことはぜーんぶお前が考えてくれんだろ?」
「……太一」
「ありがとうな、治。お前が難しいこと全部引き受けてくれるお陰で、俺は安心して突っ走れるよ」
「……突っ走りすぎて空に怒られるなよ?」
「その前にお前が止めてくれるんだろ?」
「いっつもお前の首根っこ掴んで止める僕の身にもなってくれ」
軽口を叩き合った後、一瞬間を置いて2人は声を出して笑った。
「はーあ……確かに難しく考えすぎかな、僕は」
「そーそー。まずは世界を救うことを考えようぜ!難しいことはゲンナイさんに逢ってから、ぶつけりゃいいよ」
「だな。あの話ぶりだと、いずれゲンナイさんに逢えるみたいだし」
「それまでに質問したいこと、纏めとけよ。俺はよく分からねえから、お前に全部丸投げするわ」
「まーたそんなこと言って……だったら僕も面倒なことは全部お前に丸投げさせてもらおうかな」
「あん?面倒なことって
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