ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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機械に巻き込まれた黒い歯車を取り除こうとしたら、その歯車に意識を乗っ取られたアンドロモンは、心をウイルスに犯され、攻撃的なデジモンに変貌してしまった。
本来なら争い事は好まない、機械型のデジモン達を取り仕切るようなボス的存在だったのに。
本当に申し訳ない、と正気を取り戻してからも隙あらば謝罪してくるアンドロモンを宥めつつ、太一はあの言葉の意味を聞く。
「なあ、選ばれし子ども、って何だ?俺達はその、選ばれし子ども、って奴なのか?」
それは、正気を取り戻したアンドロモンが、太一達に向かって言い放った言葉だった。
エラバレシコドモ?何それ?って首を傾げる子ども達を見て、驚愕の表情を浮かべたアンドロモンは、詳しい話をすると言って案内したのが、大輔達最年少組が見つけたこの管理室だ。
大きなコンピューターは、現実世界ではまずお目にかかれないもので、思った通り光子郎がだいぶ興奮していたが、今はその話ではないので、光子郎にはまず落ち着いてもらうとして。
『……デジモン達から何も聞いていないのか?』
『ほえ?』
『え?オレ達?』
『……なるほど、分かった』
キョトンとしているアグモン達を見て色々と察したらしいアンドロモンは、短く息を吐いた。
どうやら本来ならデジモン達から色々と教えてもらう手筈だったらしい。
ジトリ、と太一がアグモンを睨むと、え、えへ?と可愛らしく誤魔化した。
「お前なぁ〜!」
『そ、そう言われても〜!ねぇ、みんな、何かあったっけ?』
『え、えーっと……?』
『な、何だったっけ……』
太一に詰め寄られたアグモンは、ガブモン達の方を振り向いたが、似たような反応だった。
これはダメだと悟った太一は、アンドロモンの方に向き直る。
『まずは、デジヴァイスを……』
「デジヴァイス?」
『ここに飛ばされた際に、白い機械がお前達を導いたはずだ。聖なるデバイス、それがデジヴァイスだ』
「これのこと?」
ショルダーバッグの持ち手につっかけてある白い機械を指差すミミ。
アンドロモンは頷いた。
『それを持って、みんなで円になりなさい。そしたらデジヴァイスを、中心に向けるんだ』
不思議に思いながらも、太一達は言われた通りに輪になって、白い機械……デジヴァイスを中心に向ける。
デジヴァイスの小さなディスプレイから、白い光が飛び出していった。
うわ、と驚いてひっくり返りそうになった子ども達だったが、何故か腕が空中に固定されたように動かない。
腕に力を入れていないにも関わらず、だ。
どうして、と思う前に、中心に集まった光が合流すると、どんどん大きくなって形を変えていく。
光を割って現れたのは、半透明の人間の男性だった。
「え!?」
「に、人間!?」
子ども達は驚い
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