過去を凌駕する
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俺たちはもう昔の俺たちじゃねぇ」
「大切な仲間たちができたんだ」
自分の力だけを信じ、全てを失ってでも前へ進み続けた二人の天才。その過去があったからこそ彼らは最強へと向かっていき、大きな力を得ることができた。しかし、今の彼らはその頃よりも遥かに早く・・・強くなることができている。
「「俺たちは過去を凌駕する!!」」
どちらも最大の目標を果たすことはできなかった。だが、彼らはそのおかげでもっと大きく成長することができた。
そんな彼らの強い眼光に、最強の二人は脱帽した。
「おめでとう、前哨戦は君たちの勝ちだ」
水色の髪の青年がそう言うと、天海が目にも止まらぬ速さで二人に接近。首もとに瞬く間にチョップを入れ、意識を失わせる。
「楽しませてもらったからな、お前たちを殺すのは最後にしてやろう」
自らの持てる最大限の力を使い切った二人。その彼らを眠らせたティオスと天海は、最後の敵へと向き直る。
「終わったわ、二人とも」
「ありがとな、みんな」
アイリーンに背中を叩かれ立ち上がる桜髪の青年と水色の髪の少年。
「お願い!!二人を倒して!!」
「うん、任せて」
最後を任された二頭のドラゴン。桜髪の青年は顔にドラゴンの鱗が浮かび上がり、全身を炎が覆い尽くしている。
隣に立つ少年も同様に顔に鱗が浮かび上がっており、髪の色は最愛の少女と同じ藍色へと変化している。さらに、その背中に生えている翼が先の戦いの時の大きさまで戻ってきており、全身を魔力のオーラが包み込んでいた。
「ナツ」
「シリル」
魔力も集中力も十分。そんな彼らに最後に力を与えてくれるのは、いつも間近で支え合ってきた二人の少女。
「頑張ってね」
「おぉ、任せておけ」
金髪の星霊魔導士は桜髪の青年の背中に抱き付くように魔力を与える。
「シリルなら勝てるって、信じてるから」
「ありがと、ウェンディ」
藍髪の少女は遠慮気味に彼の手を握ると、少年はそれを引き寄せ額を合わせる。
「必ず勝つから」
「うん。待ってるね」
全員の力を宿した二人。彼らから最愛の少女たちは離れると、鋭い眼光で敵を見据える。
「これはまた・・・なかなかの魔力になったね」
「それでいい。そうでなければ興が冷める」
いまだかつてないほどに強くなっていることを肌で感じ取ることができる。それを見た最強のコンビは、思わず笑みを浮かべていた。
「お前らは俺たちが必ず倒す」
「これ以上好きにはさせない」
仲間たちの力を借り、強大な悪へと向かっていく火竜と水竜。人類の存亡を賭けた最後の戦いが、始まろうとしていた。
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