過去を凌駕する
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カミューニは魔導士狩りを行っていたこともあり多くの魔導士たちの情報を手に入れていた。ただ、あらゆるところから入手していたせいか、ミストガンがジェラールと同一人物と勘違いをし、それが気になっていたラクサス細かく調べた結果、別世界のジェラールであることが判明したのだ。
「で、お前はなんで聖十に入りたかったんだよ」
「まぁ・・・人殺しのためかな?」
その言葉に激昂しそうになったが、少年の顔を見てその言葉を飲み込んだ。それはまるで誰のことも関係ないと言わんばかりの悪魔の表情だったから。
「俺は命を賭けても殺したい奴がいる。そのためならどんなことでもしてやるってだけだ」
「こんなところで・・・引き下がれるかぁ!!」
激痛に顔を歪ませながらの頭突き。それを受けた天海は驚きながらも歓喜していた。
「いい・・・!!これほどまでに高揚させてくれるとは!!」
負けじと顔面に鋭く拳を叩き付ける。その衝撃の大きさに、青年は地面へと落ちるしかできない。
「魔力の使いすぎか。これ以上の戦いはできないか?」
息切れを起こしうずくまるラクサスへと歩み寄る。彼は敵が近付いてきていることに気付いていたが、疲労のあまり顔をあげることが精一杯だった。
ティオスは無情にも、その後頭部を踏みつける。
「これで終わりだ。君の物語も・・・」
地面に埋まりつつある彼の頭をさらに踏みつけながら、次に狙うターゲットたちを見据える。
「彼らの物語もね」
まだ二人が魔力を蓄えるまで時間がかかる。それはこの場にいる全員が理解していた。ティオスはまずはラクサスを見下ろし、頬を膨らませる。
「見てくれラクサス!!新しい魔法を手にいれたぜ!!」
目にいれた魔水晶をこれ見よがしに見せてくるカミューニ。それを見たラクサスは興味があるのかないのかわからないような表情を見せている。
「それでハデスって奴は倒せるのか?」
「いけんじゃねぇの?知らねぇけど」
最初に戦ったとは思えないほどに打ち解けた二人。彼らは定期的に初めて出会ったその酒場で会合を開いていた。
「そっちは?マスターになれそうなのかよ」
お互いに力を求める者同士、似たものを感じていた彼らは、互いの近況を語り合っていた。しかし、どちらもうまくいかない。
「まだだな。だが、必ず俺はマスターになる。そして妖精の尻尾を笑う奴らを消し去るくらい強大なギルドにしてやるんだ」
周囲のものなど関係ない。自分の力しか信じていなかった二人。ゆえに彼らは惹き付けられ、より独りよがりな道へと進んでし
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