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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第43話:情けは捨てきれず
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は専ら直接面と向かっての口頭である。だから通信傍受など無意味だし、颯人自身もウィズのアジトの場所は知らないので彼からウィズの居場所が明かされる可能性はゼロに近かった。
お陰で片手間にだがウィズの行方も捜索している弦十郎はお手上げ状態だった。
「こうなったら、当分はあの2人の事はウィズに任せるしかない……と言う事か」
「そう言う事だな。さっきも言ったけど、とりあえずは安心しといていいと思うぜ」
一つ心配があるとすれば、クリスの方が大暴れしないかと言う事であった。恐らくだが、ウィズとクリスはあまり相性が宜しくない。透が間に入って緩衝材の役割を果たしてくれればいいが、チラッと見た限り彼はあの時点で相当消耗していた。そんな状態で、暴れる少女を何処まで宥める事が出来るか。
颯人は内心の不安を、周りに気付かれないように溜め息と共に吐き出すのだった。
***
「ん、んぅ…………ん? ここは――――?」
その頃、クリスは目覚めると目に映る光景に困惑を隠せずにいた。
まず自分の状態だが、傷の手当てがされた上に着替えさせられ布団の中で寝かされていた。一瞬透がやってくれたのかと思ったが、彼は彼で動く事も儘ならない程の状態だった筈だ。安全そうな場所にクリスを運ぶならともかく、着替えさせた上に布団に寝かせられるほどの余裕があったとは思えない。
そもそも今寝かされている場所自体、訳が分からなかった。今彼女の目の前に広がっているのは何処かの部屋の天井だが、誰かの手で管理されているのか微塵も汚れた様子がない。消えた照明にも埃が積もっていないのだ。
ここは何処で、誰が自分に手当を施したのか? いやそもそも、あれから一体どうなった?
確か気を失う前、自分と透はジェネシスの魔法使いに襲われた挙句、逃げようとしてウィズに遭遇し…………
「――透!?」
そこでクリスは透がどうなったのか気になり起きようとして、手当された傷が痛んだことで再び布団の中に沈んだ。
全身を苛む痛みとぶり返してきた疲労に堪らず顔を顰めていると、起き上がろうとして乱れた掛け布団が何者かによって直された。
「ッ!?」
そこに居たのは、頭の天辺から全身を黒いローブで包まれた人物だった。フードを目深に被っている上にゆったりしたローブの所為で体型も分からない為男か女かの判別すら困難だったが、フードの下に僅かに見える口元から辛うじて女性だろう事が伺えた。
その女性と思しきローブの人物が、クリスに布団を掛け直しながら口を開いた。
「大丈夫ですか? まだ動いてはいけません。今は安静にして、傷と体力を癒す事に集中してください」
口から出た声色と口調は明らかに女性のそれだった。
丁寧で且つ優
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