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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga9-A語り継がれざる狂気〜King of plant〜
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ル》――

ルシルの両籠手から炎龍が10頭と出現すると、9頭は木人9体へ向かって、残り1頭は侵入者へ突撃。わたし達も続いて侵入者へと駆け出す。木人たちが炎龍にパクっと食べられている様を横目に、「おっかしいな〜」ってぼやきながら回避行動を取る侵入者と、炎の籠手を振るって炎弾を量産して攻撃するルシルの姿を見る。

「貴様は何者だ!!」

「僕の正体なんて、どうでもいいじゃないですか」

――モレスタル――

杖を地面に打ち付けた侵入者は、自分とわたし達を隔てるように新たな木々を生やした。炎弾が次々と着弾して木々に穴を空けていく。ルシルは怒りに任せたかのように木々に攻撃を加えて、徐々に侵入者に近付いてく。

「イリス。下手に接近したら巻き込まれそう」

「だからと言って援護をしようとすると、ルシルに誤射しそう」

「どうしましょうか、シャル隊長」

ルシルらしくない連携を考えない独り善がりな力押し戦術に、わたし達は棒立ちになるしかなかった。とりあえず、『アイリ。ルシル、どうしたの?』を聞く。ユニオン中でもアイリ個人への思念通話は通せるから、ルシルの集中を邪魔しないようには出来る。

『え? あ、えっとぉ・・・。今、T.C.メンバーの使ってる魔術は、オリジナルの生きてた時代、敵性勢力に属してた悪い王様のものらしいんだよね。オリジナルの記憶も持ってるルシルだからさ、かつての敵の魔術師が使ってた魔術を見て、感情がそっちに引っ張られちゃってるみたい』

ルシルのオリジナルが生きてた時代というと、シャルロッテ様や、クラリスの前世の騎士グレーテル、アンジェの前世の騎士チェルシーも生きてた時代だ。そしてシャルロッテ様たちと同じ勢力の魔術師だった。でもなんだろう。かつての味方が使う魔術だっていうのに、胸の内に渦巻くのは怒りや憎しみと言った負の感情だ。

『アイリ。敵の、そいつの名前は?』

『・・・葬柩王フォード・テルスター・スリュムヘイム』

その名前を聞いた時、ゾワッと背筋が震えた。これはあれだ、わたしじゃなくてシャルロッテ様の感情だ。

(シャルロッテ様、ルシルとのデートの時に代わったきり応えてくれなくなったんだよね・・・)

旅館での1泊した時に、一度だけシャルロッテ様と話がしたいってルシルにお願いされて、時間にして1時間ちょっとくらいシャルロッテ様にこの体を貸したんだけど。わたしの体の支配権が戻った後に、ルシルとナニしたのか、ナニ話したのか聞いてみたら・・・

――あなたの承諾なしに勝手にナニとかするわけないでしょうが! って、そうじゃなくて・・・えっとぉ、ほら、ルシルってオリジナルの記憶も持ってるでしょ? つまり私の知ってる奴でもあるの。だからその・・・あれだ、世間話を少々・・・ね――

はぐらさ
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