暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga8結界王は夢を見るか〜Dream of Alice〜
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「シャルやはやて、それに騎士トリシュタンから際どいアプローチを受けても手を出さないルシルだからこそ・・・変な気を起こさないって信じるからね?」
「ソワソワしていた理由それか!? 信じるからね?と確認している時点で疑っていると思うんだが! ・・・俺に襲われるかもしれないと疑われていたと知ってショックなんだが・・・」
いくらこの世界では俺よりセラティナの方が年上だと言ってもアリスと瓜二つである以上、彼女に欲情することなんて世界が滅んでもあり得ない。なんというか妹みたいな感じだ、うん。そう思っていたからこそ、そんな風に少しでも思われていたのはショックだった。
「あ、ごめん、なんかいろいろと緊張しちゃってて。自分に対して冗談を言って、気持ちを落ち着かせようって考えだったんだけど。別の冗談にしておくべきだってね・・・」
「あー、いいよ。あと、もし今の冗談に少しでも本音が混ざっていたなら、俺はこう返す。安心してくれ」
ドア横のパネルに触れて開けると、「おかえりー!」とアイリが元気な声で出迎えてくれた。元よりセラティナとは2人きりになることはないわけだ。俺が言った、安心してくれ、という言葉がどういう意味だったのかを察したセラティナは「確かに!」と笑った。
「――で、問題のアリスという名前についてだが」
アイリが淹れてくれたお茶で喉を潤してから、お茶を注いでくれたアイリに「ありがとう♪」と礼を言っているセラティナを見る。
「アリス・ロードスターという魔術師は、確かに実在した。俺のオリジナルである初代、シャルの前世であるシャルロッテ・フライハイトと同時代を生きていた。そして初代とは同じ組織に身を置く仲間だった」
「やっぱり」
「シエルは初代の妹で、カノンは同組織の仲間の名前だな。結論。セラティナが見たのはタダの夢じゃなく前世の記憶だ。・・・いつからアリスの記憶を見るようになったんだ?」
「確か・・・2年ほど前から妙な夢を見るな〜程度で、名前と声がハッキリと判るようになったのは半年かな。最初は自分の目線は誰なのか、遊んでいる2人は誰なのか判らなかったし、口は動いてるけど声は無くて、顔の輪郭もモヤモヤしていて全然判らなくて、自分の体も勝手に動くから気味悪いし怖かった。だけど私目線の子と2人が一緒に過ごす時間が本当に楽しくて。いつの間にか夜寝るのが楽しみで仕方なくなってた」
「そうか・・・」
ヨツンヘイム連合との1000年に亙る戦争は、“ラグナロク“という災害で勝者なんてものは無い形で終結した。それから堕天使戦争が始まるまでの数年は、復興で忙しかったが平和で楽しかった。セラティナが見た記憶はおそらくその時期だろう。フノスが病死した時は沈んだ時期が少しあったが、フノスが自分の死で空気が悪くなるのは
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