第五章
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「そのことでもね」
「安心出来るんだな」
「だからよかったと思うわ」
雪子を雇ってというのだ。
「本当にね」
「そうなんだな」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「手を出したら駄目よ」
満里奈はここで雅和をじっと見据えて告げた。
「浮気したら」
「俺が浮気なんかするか」
雅和は満里奈にすぐに反論した、今は二人で居酒屋で飲んでいるが雪子が絶対に食べない鍋を囲んでいる。そのうえで話をしているのだ。雪子がいないのは鍋を食べると聞いてもうそれで留守番を申し出たからだ。
「それはお前も知ってるだろ」
「ええ、浮気するならよね」
「女はお前一人って決めてるからな」
「男とっていうのね」
「そっちの趣味もないからな」
雅和は断った。
「ホモを差別はしなくてもな」
「そうよね、けれど一応ね」
「釘を刺したんだな」
「そうよ、まあ雪子ちゃんの身体って冷たいから」
「つらら女だからか」
「そう、それでね」
それ故にというのだ。
「触るともう凄く冷たいから」
「人肌と全然違うか」
「もう氷位にね」
まさにというのだ。
「冷たいから」
「浮気してもか」
「凄く冷たいわよ」
「だからしないって言ってるだろ。というか妖怪だけれどな」
雅和は浮気の話の後であらためて言った。
「別に変なことないんだな」
「高温が苦手なだけよ」
「それだけか」
「むしろ用心棒にもなるから」
だからだというのだ。
「いいわよ」
「そうなんだな」
「というか妖怪でもいい妖怪いるじゃない」
「ああ、ゲゲゲのとかな」
雅和は漫画のことから答えた。
「そうだよな」
「それで逆に人でもね」
「盗人もいるしな」
「そうでしょ、空き巣とか」
「その娘が住んでもらってるのも用心の為だしな」
「悪人に対してね」
「大事なのは心だな」
「そうよ、雪子ちゃん雇った後でつらら女のこと調べたけれど」
調べたのはそのゲゲゲの原作者の本からだ。
「つららからなる妖怪らしくてね」
「だからつらら女なんだな」
「そう、やっぱり夏になるといなくなるみたいよ」
「溶けるからな」
そのことは雅和も納得した。
「そうなるよな」
「それで結婚した人がいなくなったと思って結婚したら」
「冬にひょっこり戻ってきて」
「浮気したって怒ってつららになって刺し殺したみたいよ」
「人間でも浮気したら刺すわよ」
満里奈はこの現実から話した。
「だからね」
「人間と同じか」
「そう、けれど強盗とかにそうしてくれたら」
店に入って来た悪者にというのだ。
「助かるしね」
「それないいか」
「問題ないわ」
「そうだな、妖怪でも人でもな」
「性格次第よ」
「全くだな」
「それじゃあこれからも雪子ちゃんには
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