第三章
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「大丈夫です」
「そんなに東京って涼しいかしら」
「はい、実は」
それはとだ、雪子は答えた。
「夏以外は人も夜は外で寝ますと」
「どうなるの?」
「凍死しかねません」
「春や秋でもなの」
「凍死しなくても風邪をひきかねません」
そうだというのだ。
「そこまで寒いです」
「そうなのね」
「風も強いですから」
「ああ、からっ風ね」 110
風と聞いて満里奈もわかった、伊達に東京にいる訳ではない。
「あれね」
「はい、元々気温が低くて」
「風も強いから」
「ですから」
「東京は寒いのね」
「はい」
そうだというのだ。
「ですから春や秋は大丈夫です」
「というか外で寝たら死ぬのね」
「そこまでの寒さです」
実際にというのだ。
「ですから私もです」
「春や秋はなの」
「大丈夫です」
「そうなのね」
「夜は」
「それでそう言ったのね」
「ですが夏だけは」
この季節はというのだ。
「本当に」
「無理なので」
「ですからそうお願いしました」
「わかったわ、じゃあこれからはね」
「お店の冷凍庫で、ですね」
「暮らしてね。ただね」
「ただといいますと」
「このお店実は二階は私の家だから」
満里奈は雪子に微笑んで話した。
「お風呂場もあるから」
「そこで、ですか」
「毎日奇麗にしてね」
「わかりました」
「服もね」
身に着けているこれもというのだ。
「ちゃんとね」
「洗濯をですね」
「してね」
こう言うのだった。
「いいわね」
「毎日ですね」
「客商売だから」
それ故にというのだ。
「やっぱりね」
「清潔第一ですね」
「だからね」
それでというのだ。
「そこはね」
「はい、私も不潔なことは嫌ですし」
「それでお願いするわね」
「わかりました、ただ私は夏も冬も」
どの季節でもというのだ。
「シャワーは」
「冷水ね」
「そちらです」
「それは貴女のことだから」
それでとだ、満里奈は雪子に笑って話した。
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