暁 〜小説投稿サイト〜
機械の夢
第01部「始動」
第07話
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に加勢した事になるかも知れない」
 …なるほど。
「俺の事はどこまで軍に知られているんだ?」
「この間のクーデターの時に捕まった中に山崎も居た。僕が知っているだけでも、君達に非人道的実験をした事もその結果も彼らに渡っている可能性が高い」
 拳に力が篭る。
「その記録の公開は…されないんだろうな」
「…ええ。軍から流れてきたデータをイネスが解析していたけれど…誘拐の協力者に軍関係者もいたようなの」
 エリナが顔をしかめて顔を下げる。ああ…映像データでも見たのかもな。あれは酷い…からな。
「それで闇…か。同じだな。それで俺が消えれば、今回のコロニー襲撃の件も目出度く解決というわけだ」
 内心落胆している自分に、まだ俺は甘いことを考えているのかと罵倒したくなる。
 軍全体の信用と、1人の犯罪者と既に犠牲になった人の命。天秤にかけるまでもない。使えるのなら使う。使えないのなら切り捨てる。
 それが当然なんだろうな。
「分かった。俺のサポートをラムダに切り替えるんだな?」
「…駄目!!」
 予想通り、ラピスが食べるのを止めて俺を掴んできた。
「あのねラピス…アキトくんは」
「駄目!」
「約束しただろラピス。俺はこれから1年間一緒にいる。だが、何時も一緒にいれるわけじゃない。イネスの定期健診の時も1日会えない時もあっただろ?それと同じだ。必ず次の日には帰ってくる」
「…嫌」
 じっと見上げてくる視線は無機質な瞳から悲しげな色に変わっていた。今までこんなに頑なに拒否の姿勢を変えないラピスは初めて見るかも知れない。
「なるほどね…」
 アカツキが言って髪を梳く。
「なにがだ」
「君を取られたくないのさ」
「なに?」
「ラムダ…くんに君とのリンクを取られたくないってことさ。いいことじゃないか。支配欲…は違うか。独占欲が出てきたのさ」
 …欲か。
 考えてみればラピスはまだ子供だ。俺とのコミュニケーションもリンクを頼っている部分も多い。
 今日の朝、ラムダとのリンクを嫌がったのもそのせいなのか?
「そうなのか?ラピス」
「…アキトは私が助ける。私がアキトの」
 目…手…足…
「そうだな。俺はラピスに助けられてばかりだ」
 ラピスの視線が期待に変わる。だが、
「でも、今回はラムダに少し変わってくれ。完全にじゃない…ラピスとのリンクは切らない約束する」
「…」
「これは一緒にいる為に必要な事なんだ。1日くらい我慢できるな?」
 ラピスは返事をしなかったが頭を撫でて説得するが、ラピスの表情は変わらない。
「ラピスが我慢しないと、アカツキやエリナが困ったことになるんだ。分かるな?」
 ラピスは何も言わなかった。だが、掴んできた腕は放した。
 分かったとは思えないないが、少なくとも理解はした筈だ。リンクを通し
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