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機械の夢
第01部「始動」
第07話
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を手で塞ぐ。
 軽く。ほんの少し触る程度に。
「でも、怒られた。悪い事をしようとしたから、ラムダやアカツキやエリナに怒られたんだ」
 膝を折る。視線をラピスに合わせてバイザーを取る。
「今までラピスには助けられた。これからは自由に生きて欲しかった…でもそれは俺の考えだ。ラピス。ラピスはこれからどうしたい?」
「わたしはアキトとい、る」
「…分かった。約束をしようラピス」
「やくそく?」
「ああ。これから1年…俺はラピスと一緒にいる。そして、1年が経ったらラピスの夢を教えてくれ」
「ゆ、め?」
「そうだ。自分の叶えたい夢を教えてくれ。勿論俺と一緒にいたい…じゃ駄目だ。ちゃんと自分がやってみたい事を教えてくれ。もし出来なかったら、次の1年はエリナと暮らすんだ」
 答えられても答えられなくても同じ事…酷い約束だが、譲れない。
「…」
「いいな。約束だラピス」
 右手をラピスに向ける。指きりなんて何時以来だ。
「同じように手を出して」
 はてな顔で小さな右手を出してくる。
 小指を絡める。
「子供の頃は、忘れちゃいけない約束をする時にはこうするんだ」
「やくそく」
「ああ。約束だ」
 バイザーをつける。昨日のおかげで随分と調子が狂っている。自分でも何をやっているのか分からない。
「あの…マスター?ラピス?私もいるのですが」
「分かっている。これからも頼むぞラムダ」
「気のせいでしょうか…私の扱いが酷いような」
 気のせいだ。
「きのせ、い」
 少しの間ラムダがいじけていたが、ラピスのお腹すいたの言葉に部屋を出て行った俺たちを慌てて追いかけてきた。
「ううう。これが今の私-データ-とラピスの差ですね。いいです!私だって、これからはマスターとの記録を作っていきますから!!」

--
「おやようラピスくん。お邪魔してるよ〜第二の大関くん」
「お早うラピス。早かったわね…朴念仁」
 休憩所の扉を開くとコーヒーを片手にパンを持つアカツキと、紅茶?を持ったエリナが椅子に座っていた。
「おはよ、う」
「…ラムダ、ラピスの食事を出してくれ」
「はい。マスターは…ですよね」
 出してきたのは栄養固形物…水とコレがあれば俺はいい。
 最初はラピスも同じものを食べようとしていたが、色々話し合った結果、ちゃんとした食事を摂るようになった。
 アカツキとエリナの対面につき、息をつく。ラピスは子供用の椅子で俺の隣に座った。
「…これから1年ラピスと暮らす。悪いが協力してくれないか」
 バイザーを取って二人に頭を下げる。
 俺1人の力でこれから1年…平和に暮らすのは無理だ。
 それに、火星の後継者の残党狩りは行う…これは譲れない。ただ、それは俺1人でやりたかった。
 少なくともユーチャリスを使った攻撃は今後は
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