第11話「I'm a テイルイエロー!!」
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面積が広く、どちらかと言えば戦闘服というより甲冑のようだ。
しっかりフィットした流線型の胸部装甲が、豊艶に成長した胸を強調している。
その中でも存在を主張しているのは、身長と同じぐらいの大きさの背負しよいものだ。背中の装甲から左右それぞれ、宇宙ロケットの補助ブースターのように伸びている。
先端に噴射口のように穴が開いているのを見ると、やはり重装甲を補うためのブースターの可能性が高いだろう。やや斜めに固定されて八の字を描いているブースターはきっとツインテールを意匠にしているに違いない。
既に完成している自分のツインテールだけでは満足せず、まとうテイルギアそのものにもツインテールを創造しようとする貪欲さは、称賛に値する。俺も負けていられないな!
「黄色のテイルギア……今日から私は、テイルイエローですわ!!」
「……うい……とよ……」
瞬間、俺は全身の肌が泡立つほどに、背後からの殺気を感じていた。
「どういうことよトゥアール!!巨乳になっているじゃない!!」
「なってますねー」
背後に立っていたのは、名だたる名画コレクターたちが際限なくせり値を吊り上げそうなほど、見事な(殺意を含んだ)絶句顔の愛香と、自分のよりもサイズが小さいことを瞬時に見切ったらしく余裕の構えのトゥアールだ。
「言いましたよね?愛香さんを従わせるための餌として作ったブレスですって。まあ、目論見が失敗したとはいえ、これはこれで成功ですかね〜!イエイ!トゥアールちゃん大勝rゴフッ!?」
見事に吐血フラグおっ建ててしまったせいで、あっという間に無言の三連腹パンをくらい、吹き飛ぶトゥアール。一秒間に三回、同じ場所に、同じ威力で、正確に叩き込んでるのが恐ろしい……。
そう思った瞬間、机の上に置かれたトゥアールのパソコンからアラートが鳴り響く。
『おっと君たち、エレメリアンだ。出動してくれ!!』
ついでに、テイルブレスの通信機から基地で待機しているDr.シャインの声が響く。
「そ、それ私のセリフ…………」
「早速出動ですわ!!」
張り切る会長と共に基地へと移動すると、俺達も変身して、時空跳躍カタパルトへと駆け込んだ。
□□□□
『…………行かなくてもいいのか?』
ヒーローCが、エレメリアンの出現を告げるアラートと共に、出現地のマップを表示する。
「………………」
俺は答えない。慧理那にはああ言われてしまったが、正直、まだちょっと迷っている。まだ変身するのが怖いし、自分には戦う資格がないと言い切ってしまったのだ。今更どの面さげて、あいつらのもとへ行けってんだよ……いや、それもまた、逃げてるだけだな。
戦って、大切な人たち
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