第10話「明かされるcolors」
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ゴールデンウィーク中のある日
「そろそろ出勤するか」
俺は着替えて、ヒーローフォンと家の鍵をポケットに入れる。
今日はバイトだからだ。もっとも、勤め先はすぐお隣り。親友であり、大事な弟分である観束総二の母、未春さんの経営する喫茶店、アドレシェンツァなのだが。
店長同様、中二病を患ってるお客さんが集まる中二喫茶なのだが、最近はその店長が店を開ける事も多いので、お客さんが勝手に珈琲を淹れ、勝手にお代を払って、時には万札だけ置いて、お釣りも貰わずに帰ってしまう人もいるような自由経営状態だ。
正直、バイトとか必要ないと思うのだが、ちゃんと店員がいる方がお客さんも喜ぶから、と未春さんに誘われ、休みになるとバイトさせて貰っているのだ。
まあ、お客さん達が凄く生き生きとしていて、見てて楽しいと感じる事もあるし、給料も良い。
俺としては、恵まれたバイトだと思っている。
「さてと、今日のお客さんはどんなノリなのかねぇ」
玄関を開けようとしたその時!
『千優、開けるな!!』
「え?」
扉を開けた瞬間、額めがけて石が飛んできた。
咄嗟に左手で払い除けると、弾かれた石はそのまま庭へと転がった。
「あっぶな!?いきなりなんだよ!?」
石が飛んできたのは目の前。そこに立っていたのは……
「よぉ、あん時のクソ生意気なガキィ!!」
「この前の超・典型的なチンピラ男!?」
立っていたのはあの時のグラサン男だった。
どうして俺ん家に……?
「あの時は世話になったなァ……礼を返しに来てやったぜ」
よく見ると、グラサン男の手には金属バットが握られている。
光沢感と色ハゲや凹みのないところを見ると、どうやら新品らしい。
「逆恨みかよ……」
後ろ手に家の鍵を閉める。
両親は丁度買い物に出ているけど、家にはまだ弟の守友がいる。
巻き込む事は出来ない。
「でもな、武器を持ってきたからって、俺に勝てると思ってるのか?」
足を1歩前に踏み出すと、グラサン男の顔が少しビビった表情になる。
このまま威圧して帰らせる事も出来るかもしれない。
とはいえ、このまま引き下がるわけもないよな……おそらく塀の陰に仲間の二人が潜んでいるはずだ。
そんな事を考えながら1歩づつ近づいていく。
「そ、その余裕もここまでだ!!」
自宅の敷地を出ると、俺は、敵が3人どころじゃないことを知ることになった。
「食らえ!!」
「でりゃあぁぁぁぁぁ!!」
予測通り左右両側の陰から飛び出してきた2人。二人同時に俺の頭をバットで狙っていたが、頭を下げればぶつからない!!
そのまま互
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