第10話「明かされるcolors」
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は……」
「いまだ不利だって言いたいんだろう?」
焦りを見せないように語気を荒らげているつもりなのだろうか、小物感が増している。
確かに、咄嗟に息止めて目をつぶったから催涙スプレーは目と鼻の粘膜には直撃していない筈だ。顔がちょっとヒリヒリするし、少し涙も出てきてるけど……それでもここで倒れたら、もしかしたら弟に、いや、父さんや母さん、下手すりゃ隣の総二や愛香、未春さんやトゥアールにも被害が及ぶ。そう考えると、この程度苦にもならなかった。俺だけを狙ってきてるのならまだしも、関係ない人達まで巻き込みかねない、こいつらのやり方は許せない……そんな怒りが腹の底からこみ上げていた。
さて、そんな数にものを言わせていきがってる小悪党にはお決まりの台詞で返してあげよう。
「確かに、数だけで見れば不利でしょうね」
おっと、俺より先に愛香が、言いたいことを先に言ってしまった。
「でもな、常に数だけで有利に立てる訳じゃないんだぜ?」
ありゃ?次は総二が続けてしまった。
「量より質、という言葉が今のあなた達にお似合いだということですよ!!」
トゥアールまで……俺の台詞取るなよ……。
でも……そこまで俺の事を理解してきているって事になるのかな?
と、そんな事を考えていたら3人が一瞬、こちらに目を合わせてきた。
決め台詞はよろしく、って言葉には出さないが、3人ともそう言っていた。
なら、俺が締めよう。
「つまりだ。今のお前らのその台詞、負けフラグだぜ!!」
人差し指をビシィッとグラサン男に突きつける。
「知るかボケェ!!口動かしてる暇あったらとっととやられちまえよ!!」
各々武器を振り上げて、一斉に襲いかかろうとする暴漢一同。
勝負が決まるのに、そんなに時間はかからなかった。
俺と愛香の素早く、かつ強烈な技の数々に、総二の愛香ほど卓越したものではないが力強く研かれた技、そしてトゥアールのトンデモ発明により、あっさりと、不良達は全員無力化されてしまった。
「ヒィッ!」
残るはグラサン男だけ!
だがその時、ブロロロロロと、こちらへ近づくエンジン音。
慌てて辺りを見回し、咄嗟に飛び退くと、一台のワゴン車が俺に向かって猛スピードで突っ込んでくるところだった。
「ヤバい!大通りの見張りやってるヤツから、サツがそろそろ此処に来ちまうって連絡が来た!!」
運転席から顔を出して叫んでるのはあのピアス男だ。
「チィッ!!クソッ、これでもダメなのかよ……」
開け放たれているスライドドアに飛び乗るグラサン男。
「あ、待て!!」
「待てと言われて待つ奴がいるか!覚えとけ!!」
ドアを大
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