第10話「明かされるcolors」
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ます』
トゥアールが申し訳なさそうに通信をしてくる。
「そうね、お願いトゥアール……」
「今のは俺もさすがに肝を冷やしたよ……」
俺達はこれからの戦いに不安を抱きながら、変身を解除した。
『総二様!愛香さん!駄目です!!』
「「え?」」
瞬間、俺の眉間を、電流のような刺激が走った。
鮮烈なまでの、ツインテールの気配。
背後から自分の身体に影が差した瞬間、俺は心臓が止まりそうになった。
息を?んで振り返り、路地裏を見ると──―
「観束君……が……テイルレッド……」
肩で息をしながら、ツインテールを振り乱した神堂慧理那生徒会長が、呆然と俺達を見つめていた。
あれだけ人の目を攪乱しながら走り抜けた俺達をなお、急いで追ってきたのだろう。
「ち、違うの会長、これは……」
愛香がフォローする前に、会長は緩やかに壁にもたれかかり、そのまま崩れ落ちてしまった。会長も、あまりの衝撃に、意識を失ってしまったらしい。
そしてトゥアールが我を忘れたように捲し立ててくる。
『総二様!見られたなら……とりあえず裸に剥いてください!!今すぐにです!!』
「裸にしてどうすんのよ!」
『写真を撮って脅すにきまってるじゃないですか!誰かにバラしたらネットに流すって!正体を知られたヒーローと恥ずかしい写真を撮られた女の子!ほぼ対等の条件です!!』
「「『どこがだああああああああ!!』」」
希代の外道になれと仲間に唆されるが、俺自身、もうパニックで気を失いそうだ。
『ってヒーローC!?今まで何ボケっとしていたんですか!!サラマンダーの光学迷彩装置インビジブル・カーテン使えば、こんなことにはならなかったんですよ!?』
『こっちだって、千優運んだあと、ちょっとシステムの再起動するほどの苦労したのにその言い方ないだろ!?あ、あと今の音声と、千優が戦ってる間愛香に言った侮辱の数々は録音済みだから、後で覚悟しとけよ』
『ちょっとおぉぉ!?何録音してくれちゃってんですか!?千優さんが通信きってる間に普段我慢してる分までとことん愛香さんを煽り倒してやろうと思っていたのにぃぃぃ!!』
「今はそれどころじゃないでしょ!?ああもう!どうしたらいいのよ!?まだギャラリー残ってるかもしれないってのに……」
うん、この騒がしさで何とか冷静さを保てそうだ。
とりあえず、倒れた会長に近づく。
それを遮るように、目の前に一人の女性が割り込んできた。
「……さ、桜川先生……」
「お嬢様は軽いが、お前には仲足がいる。お前はそっちを頼むぞ、観束君」
驚くほど冷静に、まるで今のこの事態をどこか予期していた
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