第10話「明かされるcolors」
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二くん、ちょっと注文してもいいかい?」
「あ、はい。ただいま」
って、俺まで覚えられているのかよ……。
その時、バンッ!と店のドアを勢いよく開ける音が。
見れば慌てた様子で店のカウンターに走り寄っていく1人のお客さんが。
「いらっしゃいま……」
「大変だ、大変だよ店長!」
どうやら緊急の用事のようだ。一瞬、またいつもの中二トークかと思ったが、この血相変えた表情はいつものそれとは何処か違うような……。
母さんの顔が真面目な表情に変わる。
「どうしたの?大変ってだけじゃ何があったのか、伝わらないわよ?」
「そ、それが……ありのまま今起こった事を話すぜ……オレはいつもの様に店に入ろうとしたんだ。そしたら、すぐそこの角の向こうから……」
言い終わる前に、開きっぱなしになっていたドアの外から唸り声と金属のぶつかり合う音、そして鈍い打撃音が聞こえてきた。
「なんだ!?」
嫌な予感がして、慌てて外に出ると……そこには金属バットや鉄パイプを振り回す、ガラの悪い学生達と、そいつらに囲まれて応戦するヒロ兄の姿があった。
「ヒロ兄!?」
「これは……!!」
続いて出てきたトゥアールも驚いていた。
こんな白昼堂々と路上で暴力沙汰を起こす連中がいるなんて……。
「あいつは……確か、この前会長と桜川先生に絡んでいた……」
「あ!!本当だ!!」
愛香の指さす先には、確かにこの前ヒロ兄に脅かされて、逃げ出して行ったチンピラ三人衆の一人がいた。
「ヒロ兄、動きがいつもと比べて鈍いわね……何かあったのかも」
「いや、アレで鈍くなってるのか!?」
「バットを避ける時のスピードが、いつもの回避速度より一瞬遅くなってるのよ。万全の状態じゃないのは間違いないわ」
そんなに細かい所まで分かるのか……流石、トゥアールがいつも何かやらかす前に阻止してるだけある……もう、死んだ爺さんも完敗だろう。
「見ているだけなのは嫌だもん。助太刀させてもらうわよ!!」
「ああ、行くぞ!!」
「仕方ありませんね、私も特別サービスしちゃいましょう!!」
店のエプロンを脱ぎ捨てる俺達。
なんかお客さん達から歓声が上がってるのは、この際気にしない!!
「あぁん?テメェら何モンd……」
「ハッ!!」
振り返った1人がバットを振り上げる前に、腹部に膝蹴りを入れ、背中に肘を勢いよくぶち当てる。
「ガッ!?」
倒れる暴漢。愛香の爺ちゃん直伝、水影流流術は伊達じゃない。
「女だからって手加減はゲゲルッ!?」
「手加減は……なに?聞こえなかったわよ?」
流石は愛香。三流小悪党の台詞も耳を貸さ
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