第10話「明かされるcolors」
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次元の狭間 何処かのポイント
「こ、これは……」
小さな管制室のような部屋で、その少年は驚きの声を上げて椅子から立ち上がる。
その声は少年のようであり、青年のようでもある。背丈は高校生ほどで、丁度その声に見合った、少年と青年の中間のような外見である。
白衣を羽織っており、中にはTシャツを着ている。
部屋のスクリーンには、現在行われているテイルドラゴンの戦闘映像が映っている。
そして、画面端には現在のテイルドラゴンのステータスが、表示されており、その数値は現在、通常のパラメーターを大幅に振り切っていた。
「まさか、こんな自己進化を果たすなんて……。仕方ない、そろそろ私も出る頃かな……」
少年は机のキーボードを操作すると、椅子に座り直し、シートベルトで椅子に体を固定する。
操作が終わると、スクリーンが引っ込み、キーボードの隣から運転用のレバーが現れる。
「are Go!!」
そう叫ぶと、彼は移動艇を全速力で発進させた。
□□□□
「……ドラ……兄……?」
突如、監禁空間の中で炎が噴き上がったと思った瞬間、監禁属性が解除。
壁が破壊され漏れだした熱風が俺たちを襲う。
そして、爆炎の噴き上がった場所に立っていたのは、全身をマグマのように真っ赤な焔に包まれ、二の腕や腿、腹部や顔の黒だけが溶岩のようにその中から露出したテイルドラゴンの姿だった。
「ちょっと……なに……あれ……」
愛香も一瞬にして泣き止み、その光景に驚いている。
「むぅ!?」
腕組みして傍観していたリヴァイアギルディでさえ、驚きを隠せていない。
「その姿は……一体……!?」
対峙しているクラーケギルディが、その恐ろしさを一番身近に感じているだろう。
そう、こんなテイルドラゴンは見たことが無い。
それどころか、全身から怒りが……殺気にも似た怒りが滲み出ている。
俺も身体が震えている。そう、恐・ろ・し・さ・を感じているのだ。
「グガア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」
獣のような咆哮を上げ、クラーケギルディへと飛びかかる赤いテイルドラゴン。
もはや、これは人なのだろうか。
「全身を炎で包んだところで同じ事!ましてや、その獣の動きで私の触手を捌ききるなど!愚かな!」
四方八方から同時にテイルドラゴンを襲う10本の触手。
「危ない!ドラ兄!!」
また全身を刺突されて、吹っ飛ばされる!
そう思った俺は叫ぶ。
だが、今度は違った。
「グルァア゛ウ!!」
触手が一斉に切断された。
「何ィ!?」
クラーケギルディの瞠目する一点には
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