第10話「明かされるcolors」
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声を上げたのだ。
「いや──―っ!!やだ、やだ、や──────っ!!」
「落ち着けブルー!どうしたんだ!?」
「触手……触手ぅぅぅぅぅ!!」
クラーケギルディの広げた触手を見て、異様に怯え始めた。
……あー、そういや愛香、ヌルヌルテカテカしてるものが苦手なんだっけ……。
「むぅ!?如何なされた姫よ!?」
監禁空間の中は完全防音されている。通信機越しに聞こえる総二や愛香の声と、ついでにヒーローCに頼んで外の音声も拾ってもらっている俺と違って、クラーケギルディは何故テイルブルーが泣いているのが分からないのだろう。
「姫!姫!ええい、今すぐにでもそのお傍に馳せ参じたいのに、この壁の邪魔な事!!」
監禁空間の壁を攻撃し始める始末……どんだけ愛香が気に入ったんだよ……。
この光景を見ていると、自然と怒りも収まってくる。
「こうなっては仕方ない。さあ、構え直せテイルドラゴン!貴様を倒し、ここから出させてもらう!!」
「もちろんだ。だけどお前は出させない!!」
ドラゴファングはさっきの攻撃で離れた所に転がってしまった。
よし、ここは学生服属性とドラゴホーンで……。
そう考えていた時、クラーケギルディは声高らかに宣言した。
「待っていてください姫!必ずやこの試練に打ち勝ち、無粋な朴念仁を糾弾した上で、貴女を振り向かせてみせると誓いましょう!!」
「……オイ、今テメェなんつった?」
今、とても聞き捨てならないセリフが聞こえたような……。
「何者かは存じないが、姫君の気持ちに気づかず、待たせ続けるような朴念仁は姫には似つかわしくないと言ったのだ」
「…………」
「これほどまでに美しい姫からの愛に気付かぬとは……遭った事はないが、余程の愚か者か性悪に違いない!!テイルドラゴン、姫の為に戦う貴様の信念は讃えるが……その男の為でもあるというのなら、貴様に問おう!何故、そのような男の為に戦うのだ?」
その一言は、収まりそうになっていた怒りを爆発させた。
「……ない……に……」
「む?」
「知らないくせに、勝手な事言ってんじゃねえぇぇぇぇぇ!!」
瞬間、体全体が炎に包まれる。
熱い!暑い!だが、今目の前にいるこいつを跡形もなく焼き尽くすにはまだ足りない!!
もっと、もっと!!熱く、強く、激しい炎を!!
この怒り、生半可な事では鎮まりきらない!!
『怒りエネルギーリミットオーバー!?リミッターがぶっ壊れただと……オイ千優、落ち着け!!これはヤバイ!危険だぞ!!』
「クラーケギルディィィィ!!」
「なッ!?なんだ……この炎は……」
□□□□
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