第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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たちが列を作っている。
俺も一応その一人だ。
「お、よっしゃラッキー!これください」
「まいどあり!」
数ある弁当の中から丼状の容器に入ったものを購入する。
あったあった。この弁当は一日5個限定の弁当だ。
丼いっぱいのご飯の上にキャベツ、玉ねぎ、豚肉の炒め物が玉子でとじられている。
しかも鶏の唐揚げが添えられていてとてもボリュームがある。
俺命名「限定弁当」だ。
いや〜、買えてラッキーだな〜。と喜びながら生徒会室へと向かおうとした時、
「わっ!?」
「うおっ!?」
丁度曲がってきた慧理那とぶつかりそうになった。
幸い今回はお互いに前を見ていたのでぶつかることはなかったが。
「ち、千優さん……」
「慧理那!?なんでこっちに?」
確か、慧理那は持ち弁派なので、普段は購買部を利用していないはずだ。
ついでに言うと、弁当作ってるのは尊さんなので、毎日弁当を持ってきている。
「その……ランチミーティングなので……呼びに来たのですが……」
なるほど。わざわざ出向いてくれたのか。
「ありがとう。それじゃあ、行こうか」
「はい……」
小声で答えると、俺から顔を背けるように後ろを向き、生徒会室の方へ歩いていく。
尊さんも隣に続き、俺もその後を追う。
だが、しばらく歩いていると気付いた。
慧理那は俺から距離を置くかのように、俺から1メートルくらい離れた距離を保って歩いているのだ。
あと、たまに距離を確認するためかチラチラとこちらを振り返る。
いやバレバレだって。
「……ミーティングって、なにするの?」
「あ、はい、その……挨拶して、コミュニケーションの一環に昼食を共にし、後は自由解散です」
なるほど。仕事が無い間は特に気を張る必要は無さそうだ。
「仲足……一つ聞いてもいいか?」
尊さんが俺の隣に立ち、小声で囁く。
「はい?」
「お嬢様に聞こえないように答えてくれ」
「分かりました……それで、ご用件は?」
「単刀直入に聞く。お前はお嬢様の事が好きなのか?」
「ぶっ!?」
率直すぎて吹き出してしまった。
いきなりなんでそんな事を貴女が聞いてくるのですか尊さん!?
「……お嬢様の様子がおかしい事は、お前も気づいているだろう?」
「そりゃあ、さっきからおかしいなとは……」
「いや、実は先日から時折、何処か心ここに在らずといった雰囲気で物思いに耽っておられるのだ……。そう、あの土曜日の午後からな」
この前の土曜日からって……。
「時折顔を赤らめては首を横に振る動作も……特に、今朝から
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