第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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いいや、無いだろう。
むしろ、これは慧理那の気持ちに応えてあげるべきだろう。
正直なところ、俺も嬉しさを感じていないと言えば嘘になるからな。
だが、これがもし思い違いだった場合、俺は結構痛い目見るかもしれない。
恥ずかしい思い出になるとか、そうゆう問題じゃなく、慧理那との仲を疑われて、慧理那に迷惑を被るのは嫌だし、俺も何されるか分かったもんじゃないんだよなぁ……。
……ふと視線を感じて顔を上げると俺と2つ分、机を隔てた席からこちらを見つめる悩みの相手と目が合ってしまった。
「「…………あ」」
瞬間、思いっきり顔を背けて向こうを見ない様にする。
ダメだ、直視できない……登校して来たから思ってたけど、やっぱりどんな顔して会えばいいんだよ!!
どうしてもなんだか恥ずかしくなって顔見れねぇぇぇぇぇ!!
いや、でも待てよ……あれ?
そもそも俺は何を気にしてこんなに恥ずかしがってんだ?
俺が答えてあげるべきだと感じたのは何故だ?
……もしかして……俺は慧理那の事が…………。
□□□□
あぁぁぁぁ!!///
どうしましょう師匠の顔が見れませんわぁぁぁぁ!!
今になって思えばあの時、どうして千優さんに触れたいなどと……。
いえ、答えはもう分かっている筈です。
あの時、帰り際に「また行こう」と言ってくれた瞬間……頭を撫でてもらった瞬間……それとも、ボロボロになりながらもわたくしを助ける為に駆けつけてくれたあの瞬間から?
いいえ、もしかしたら本当はもっと前から……。
千優さんにとっては何気ない事だったのかもしれないけれど……あれ以来千優さんが触れてくれる度に胸が音激打のように激しく高鳴り、燃えるマグマの用心棒の如く身体が熱くなる。
全校朝会のあの日、わたくしの無意識のウインクと、千優さんのサムズアップが交わされたあの時も……。
ここまではっきりと意識してしまっているのなら、これはもう、疑いようのない事実だと確信をもって言えます……。
「神堂会長?」
わたくしは……千優さんの事が……。
「神堂会長?おーい」
「へ、あ、ひゃい!?」
気が付きませんでしたが、隣に宮ノ下さんが立っていました。
「どうしたの?心ここにあらずって感じだったけど?」
「いえ、その、少しばかり考え事を……」
「そっか。何考えてたのかまでは聞かないけど、確か今日のランチミーティングで連れてくるんだよね?」
生徒会には毎週月曜日のお昼休みにミーティングがあります。
その時に行事やボランティア活動について等の話を行うのですが、確か来月までは特
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