第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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ルー派のエレメリアンはあぁ、これをテイルブルーに聞かせたら一瞬で基地を特定され、破壊し尽くすんだろうなぁ、等と溜め息をついているのだが、リヴァイアギルディ部隊のエレメリアン達には聞こえもしていないのであった。
そして最終的にはスクリーンを使ってプレゼンし始め、そして両派閥の二体が取っ組み合いを始めてしまう。
それらを皮切りに、巨乳だ貧乳だと、もはやただの口喧嘩となり、会議は荒れた。
ネット風に言うと、炎上した。
「静まらんか!」
硬質のテーブルにヒビが入るほど、劇場を拳に乗せ叩きつけるクラーケギルディ。
途端、会議室は水を打ったように静まり返る。
「埒が明かぬ。一体何日こうして終わりのない言い争いを続けるか。昨日にいたってはゲームのキャラを持ち出しての喧喧囂囂の罵り合い。あまつさえ、巨乳貧乳どころか男の娘キャラだったのに気付かぬ未熟!!もはや乳の問題ですらないではないか!!」
厳粛な騎士性を重んじる彼までもが感情を露わにするほど、事態は深刻だった。
「……やむをえん。部隊の統一は一度白紙に戻し、個々で制圧を開始するほかあるまい……まあ、何体か血気盛んな若僧共が、もう勝手にそうし始めているようだが、な」
部隊の統制が不安定になっている事を実感するリヴァイアギルディの提案は捨て鉢というよりも、そこしか落としどころを見いだせない、将としての苦渋の決断だった。
「リヴァイアギルディ様……お言葉ですが、総力を結集しなければ、ツインテイルズには勝てませぬ!!たとえ時間がかかろうとも話し合っ……」
クラーケギルディが部下の発言を遮って語る。
「このまま座していても事態は変わらぬのもまた、事実。私も賛成だ」
将軍たちが言葉を揃えては、部下達は反論などできるはずもない。
「それに、尖兵とはいえ、既にクラブギルディが敗れ去っている……。戦闘力はそれほど秀でていなかったとはいえ、私でさえ見切れなかったあのスピードを攻略するとは……」
「俺の腹心たるバッファローギルディもああも容易く敗れ去ったのだ。ツインテイルズの実力はとうに承知しておる。…………もっとも、あ奴があそこまで腑抜けだったことに、失望もしているがな!!まったく、よく分からん霧の生命体なんぞに身体まで乗っ取られおって!!」
辛辣な死者への冒涜も、リヴァイアギルディの性分をよく知る部下達は黙して聞くだけで心中でさえ責めようとはしなかった。
あの、悲しみに打ち震える股間の触手を見て、誰がそれを本心だと思おう。
クラーケギルディの部下たちでさえ、それを察して目を伏せている。
「大変です!!」
その時、会議場に一体のエレメリアンが血相を変えて駆け込んできた。
「な
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