第9話「烏賊と海竜とイヤな奴」
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神堂慧理那という姫君を捕らえし竜ならば、僕はそれを倒し、彼女を解放する勇者にならなくてはならない。
そろそろ雇った不良役の連中も準備を終える頃だろう。
あいつの住所も抑えた。逃がしはしない。
「覚悟しておくがいいさ、仲足クン」
指先で眼鏡の位置を直し、つい先程目の前を去っていった敵役かたきやくに向けて言葉を送る。
これが彼の……高杉慎仁たかすぎしんじの静かな宣戦布告であった。
□□□□
都内 とある小学校の運動場
「だぼだぼのぉぉぉ!!袖が余る服の似合う幼女はいるかぁぁぁ!!」
「「「うるっせえぇぇぇ(さぁぁぁい)!!」」」
今日のエレメリアンは、とにかく派手な色で、しかもとにかく叫ぶタイプの鳥型エレメリアンだった。
名前はパロットギルディ。属性は袖スリーヴ、所謂萌え袖だとか。
確かに余った袖の形状は鳥の翼に見えなくもない。
「特にダボダボな袖を大鷲のようにブンブン振り回す幼女は天よりの使者に相違ない!そのツインテールが袖を降ると共に揺れる様もまた美しい!!」
「な、なるほど……確かに、何かの動作に合わせて揺れるツインテールの良さは共感できるな……」
「同意しちゃダメよ!アンタもレッドに変な影響与えないでくれる!!」
相変わらずの総二のツインテール思考が平常運行!……いや、レッドとブルー見てると揺れるツインテールのよさは、何故か分からなくもないのがなぁ……。
『分かりますよ、分かるとも!幼女+サイズの合わない服はまさに黄金比ですよね!!』
よし、この通信機越しに世迷言を吐いてくるロリコンは後でシバこう。
「さあ!テイルレッドよ!私が用意したこの特注パーカーを来て見るがよい!テイルブルー、仲間の何人かからの反対を押し切って、お前の分もついでに作ってある。2人で余った袖をブンブン振って羽ばたいてみるがいい!!」
そう言ってサイズは違うが、色違いでそっくりなデザインのパーカーを取り出すパロットギルディ。見事に袖は丁度いいくらいに余っている。
「お断りだぁぁぁ!!」
「誰がアンタなんかの為に着るものかぁぁぁ!!」
まあ、確かにそうだろうなぁ。
正直なところ、ちょっと見てみたい気もするが。
だってあのパーカー、おそろいだぞ?
総二と愛香のおそろい衣装……兄としては見てみたいと思ってしまって何が悪い……。
まあ、流石に今回は2人が嫌がってるからその気持ちは抑えるけどな!
「残念ながら、2人からはお断りの様だな!」
「ならば無理にでも着せるまで!往くぞぉぉぉ!!」
両腕の翼を羽ばたかせ、地面から両脚を浮かせるパロットギルディ。
そ
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