第6話「想いの竜ーテイルドラゴンーその3」
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部下の1人が素早くリモコンを拾う。
「悪いがリーダーの為だ。落ちろ!!」
ポチッとボタンが押され、慧理那を吊るしているフックが外れた。
「「会長!!」」
「ッ!?」
鉄パイプの剣山まで真っ逆さまに落ちていく慧理那……だが、彼女の身体が串刺しになることはなかった。
落下の直前、黒い影が剣山を倉庫の隅まで蹴り飛ばし、落ちてきた慧理那の身体をしっかりと受け止めたのだ!!
「お……ま……え……」
「何ィ!?」
「馬鹿な!?Jフィールドの影響下であのような速さで動けるなど……」
驚くジェラシェード達。
「「おお!!」」
ジェラシェード達とは逆に歓喜する総二たち。
そして……。
「……戻ってきてくれるって信じてましたよ……」
「ああ、よく諦めずに待っててくれたな……」
満面の笑みで喜ぶ慧理那をその腕に抱える千優の姿がそこにはあった。
「ヒロ兄ナイス!!」
「遅いわよ!いつまで寝てるつもりだったの!!」
「悪いな。ちょっと友人たちと話してたら時間忘れちまってさ」
「なんだよそれ……」
千優の復活を喜ぶ3人。
「貴様ぁぁぁぁぁ!!」
再び武器を構える四人。
「待ってろ尊さん。今すぐ助けてあげますから!!」
慧理那を優しく地面に降ろし、身体を縛る鎖と手を縛っている縄を解く。
「ここで待っててくれ。必ず尊さんを連れてくる」
「はい!」
それから、総二たちを見上げる。
「総二、愛香、済まない。もう少しの辛抱だ!!」
「仕方ないな。あんまり長くは待てないぞ?」
「そろそろきついから、なるべく早くしてね?」
「努力するよ!!」
敵を見据え、構える。
「行くぞ!!」
身体が重くて動きづらいが、今残っているありったけの力を脚に込め、俺は突っ込んでいった。
「今度こそ起き上がれないように叩き潰すッ!!」
「やってみな!ハアッ!!」
「はギャッ!?」
上から、前から、今度は右から……。
振りかざされる鉄パイプやナイフを、最低限の動きで素早く流しつつ、動ける限りの速さで腹を突き手刀を叩き込みながら電気を流し込んでゆく。
チラッと見たが、戦っている間も尊さんはもがいていた……。
待ってろよ、頑張れよ、必ずあなたを助け出します!!
□□□□
「さて、俺たちいつまでこの状態なんだろ……」
総二が呟く。
そろそろ吊るされっぱなしがきつくなってくる頃だ。
「そうね……」
愛香もそろそろきつそうだ。
「もう少しの辛抱ですわ!!」
慧理那も応援しているがいつまで待てばいいのか……。
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