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俺、リア充を守ります。
第6話「想いの竜ーテイルドラゴンーその3」
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……」

 俺は再び目を閉じる。

 目を開けた先に、仲間たちの顔を思い浮かべて……。

 

 □□□□

 

「頑張って!!立ち上がってください!テイルドラゴンさん!!いえ、千優さん!!」

静寂を破ったのは慧理那の声援だった。

「ああ?なんだ、小娘の戯言か」

「無駄だ、コイツはもう動けねえよ!」

「叫ぶなら命乞いでもしていやがれ!」

小馬鹿にしたように喚くジェラシェード達。だが、慧理那は黙らない!!

「命乞いなどしません。だって千優さんはあんなに痛めつけられても弱音ひとつ吐きませんでしたもの!!」

「何を小癪な……」

「それに応援はヒーローの力の源……わたくしの応援が千優さんに届くのなら、何度でも叫び続けますわ!!」

「そうだ!!頑張れヒロ兄!!」

「お願い!!立ち上がって!起きてよヒロ兄!!」

総二、愛香も加わり声援は大きくなる。

「クッ……耳障りだ。お前たち、あれを用意しろ」

尊の命令で吊るされた三人の真下に何かが運ばれてくる。

それは、斜めに切ったパイプをいくつも切り口を上にして並べた剣山であった。

「テイルドラゴンにトドメを刺すのを黙って見ていなければ、このリモコンのボタン一つでお前たちをその上に落とすぞ!!」

「尊!!あなたもいい加減目を覚ましなさい!!人を殺めてまで行う事に何の意味があると言うんですか!!」

慧理那は真剣だ。この状況においても仲足千優ヒーローとゆう名の希望を信じて叫び続ける。

「黙れ!!もういい、まずは小娘!!お前から……」

ボタンを押そうとした尊の左手が止まる。

「な……なんだ!?」

どれだけ力を入れても左手は動かない。まるでそ・の・手・自・身・が・ボ・タ・ン・を・押・す・こ・と・を・拒・絶・し・て・い・る・か・の・よ・う・に・。

「おのれぇぇぇ……これなら!!」

リモコンを持つ右手の指で押そうと試すも、今度は右手が動かない。

(お嬢様……に……手を……出すな)

「クソッ!!この女、今になって抵抗してきやがった!!」

やがて、リモコンを握る手がどんどん緩み始め、ついにはリモコンを手放してしまった。

(お嬢様は……私が……守る!!)

「こ……こいつ!?まさか自力で私を追い出そうとしている!?」

「尊?尊なんですのね!!」

「う……ぬ……ぐッ……」

身体を追い出されそうになり、ジェラシェードが苦しんでいる。

「尊!!頑張ってくださいまし!!その悪を自分の中から追い出すのですわ!!」

「が……こう……なれば……お前……たち……ボ……ボタンを……」

苦し紛れに指示を出すジェラシェード。

「承知!!」

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