第6話「想いの竜ーテイルドラゴンーその3」
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せた人達は物陰に隠れるように寝かされていた。
手荒過ぎたな〜、と思いつつ治療を開始する。
「完全開放ブレイクレリーズ、癒しの看病エンジェリー・ナースィング」
手をかざすと明るい黄緑色の光が人々を包み込む。
俺が怪我させてしまった部分が一瞬の内に殺菌・消毒され、治癒していく。
しばらくすると全ての傷はすっかり癒えていた。
「さて、これで一件落着だな」
後は倉庫の外にでも寝かせておけば起きた後、自分から帰っていくだろう。
ドライバーを外し、変身を解除する。
「これで終わり……ということは……」
「ああ。帰るぞ」
外に出ると、辺りはすっかり夕暮れになっていた。
倉庫の外に倒れた人達を運びだし、壁にもたれさせておく。
「そういやヒーローC、なんで遅かったんだ?」
一番気になっていた事だ。
『慎重に行かなければ桜川尊に見つかり、妨害される恐れがあった』
「つまり、タイミング見計らっていただけってことか?」
『安心しろ、人質が危なくなったら飛び出す気だった。まあ、お前に出番取られたけどな……』
そうなのか……なんか申し訳ないな……。
『気にするな。お前の行動は立派だったよ。慎重すぎる俺じゃ、あんな事は出来ないからな……』
「そうか。……さて、そろそろ戻れ」
マシンサラマンダーが、アクションモードからバイクモードに変形する。
ハンドルの真ん中にヒーローフォンをセットすると、ヒーローCがヒーローフォン内に戻ってくる。
「総二、愛香、家まで送るよ」
「ヒロ兄、身体は大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。もし怪我してても、元々ヒーローCの自動操縦だから、事故る心配はない」
「そうか。なら遠慮なく乗せてもらうぜ」
後ろに総二、愛香が乗りマシンサラマンダーのエンジンを稼働させる。
変身なしで乗る時のために特製のヘルメットを用意してあるのでそれぞれ渡す。
「こいつは持って帰って解析してもらうとするか……」
尊さんから受け取った腕時計型デバイスをコートの内ポケットに仕舞う。
トゥアールならすぐに解析してくれるだろう。
「おっと忘れる所だった。慧理那、俺の正体は……」
「秘密ですわよね。当然ですわ!」
胸を張って宣言する慧理那。
「流石俺の弟子だ。話が早い」
「尊もこの事は他言無用ですわよ?」
「もちろん承知しております。バレると色々面倒でしょうから」
尊さんも分かっているようだ。
「それじゃまた明日、学校で」
「じゃあね会長」
「今日は迷惑かけました」
総二と愛香が頭を下げる。
「観束くんたちのせいではありませんよ!頭を上げてください!」
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