第6話「想いの竜ーテイルドラゴンーその3」
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自分の体を見る。傷だらけだった筈なのに傷どころか痛みさえなくなっている。
俺は……死んだのだろうか?
「ったく……無茶なやつだな、お前」
「え!?」
後ろから聞こえてきた声に俺は振り返る。
「よう。この姿で会うのは久しぶりだな」
「ウルフギルディ!?」
俺の目の前に立っているのは俺の好敵手せんゆう、そして初めて倒したエレメリアンの1体。
学生服属性スクールユニフォームのウルフギルディだった。
「お前がいるってことは……やっぱりここはあの世なのか?」
「んなわけあるか!!お前はまだ死んじゃいねえよ」
「そうなのか……」
なんか安心した。俺はまだ生きている……今はそれが分かったことが嬉しかった。
「ここはお前の精神世界……まあ、つまり心の中みたいなとこだ」
「俺の……心の中?」
「そうだ。だからオレ達もこの体で出てくる事ができる」
さらに別の声に隣を見る。
「よう!」
「久し振りだな、千優」
「お元気でしたか?」
「アントライオンギルディ!それにドクターフィッシュギルディにタランチュラギルディも!!」
そう、そこには死角に潜む者ラークスクエアーズのメンバーが全員揃っていたのだ。
「さて、何故私達がここに来たか。わかるか?」
「そ、それは……。不甲斐ない俺に喝でも入れに来たとか?」
「わかってんじゃねえか!!」
アントライオンギルディに怒鳴られる。
そんなにだらしなく見えていたんだな……。
「どうしてオレ達の属性玉ちからを使わねえんだ!!」
「それは……その……」
「そうだぜ!折角あげた属性玉エレメーラオーブが腐っちまうじゃねえか」
「それはそうだが……」
俺はこの力を使っていいのだろうか……。
「迷っているのか?」
「え?」
「私達を倒した事を『本当にこれでよかったのか?』と後悔している。違うか?」
心を見透かされたような気がした。
ドクターフィッシュギルディの言っている事は的を射ていた。
「なんで……」
「ここは精神世界ですからね。貴方の心は私たちと繋がっているのですよ」
「つまり隠し事はできねえぜ!」
そうゆう事か。なら、隠す必要はないな。
「そうだ。俺は迷っている……あの日、お前らを倒した日から……ずっと……」
確かにエレメリアンを倒す事が彼らをその業から救うことだとヒーローCに諭されたが、それでも迷いは消えていなかった……。
「仲間想いで、人間臭くて、気の良い性格で……。そんなお前らを本当に倒すべきだったのかなって思うと罪悪感が押し寄せてきて……」
「そうだったの
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