第5話「想いの竜ーテイルドラゴンーその2」
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全校男子の顔写真が欲しいんだと……」
「マジかよ……恐いな……」
ホント、アラサー間近の執念恐ろしいな……。
「……ってなんで俺に聞くんだよ?」
「いや、本人に聞く気にはなれないし、慧理那会長に聞いても無駄だろうし……。慧理那会長と仲が良くて、桜川先生とも話しやすそうなお前なら何か知ってるかもな〜と……」
「お前、俺を何だと思ってるんだよ……」
尊さんを見てると、あの調子じゃ見つかるものも見つからないだろう、と思ってしまう。
果たして、あの人が結婚できる日は来るのだろうか?
だが、それよりも気になっていることがある。
尊さんが巻いていたあの腕時計、何処かで見た覚えがあるのに未だに思い出せない。
なにか引っかかるんだが……そのなにかが思い出せない。
ヒーローCも覚えていないらしく、なるべく考えないようにしているのだが、これが気になってよく眠れなかったのだ。
「あ、そろそろ帰らないと……俺はそろそろ行くよ」
「おう、じゃあな」
リュックを背負い、教室を出ていく黒川。
俺も教室を出て、ツインテール部の部室に向かおうとした時……、
「わっ!?」
「ぬおっ!?」
廊下を出たところで女生徒とぶつかってしまった。
「す、すみません!!」
「いえ、こちらこそ!!前が見えていなかったもので……」
「……って慧理那!?」
「あ、千優さん?」
ぶつかった相手は、おそらく生徒会のものだと思われる書類を運んでいた慧理那だった。
転んだ拍子に書類を散乱させてしまっている。
「ごめんごめん、急いでたもんだから……」
散らばった書類を集めながら謝る。
「いえ……前が見えていなかったわたくしが悪いのですわ」
集めた書類を積み重ねると、確かに慧理那の身長では前が見えづらい程の高さだった。
「こりゃ確かに、前が見えなくなるのも無理ないな……。どうしてこんなにたくさん?」
「今日中に提出しなければならない書類なのですが、集計が遅れてしまって……」
なるほど、それで責任感の強い慧理那は一人で集計を……。
本当に真面目で、良い生徒会長だ。
「書類散らばらせたお詫びに、半分持つよ」
「え!?いいですよ、急いでいる方に手伝ってもらう訳には……」
「急いでいたって言ってもツインテール部の様子見に行くだけだし、実際暇人とあまり変わらないよ」
まあ、本当は一秒でも長く総二と愛香のやり取りを眺めていたいんだが、困っている人を手助けする方が優先だ。
「それに、仲間がいた方が心強いだろ?」
「は、はい!!」
やっぱり、こういう特撮っぽい台詞回し好きなん
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