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ダイヤモンドリング
第二章

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「土曜日ね」
「丘の上に二人で」
「ピクニックに行こうね」
「そしてそれを見るのね」
「そうしようね」
「何かわからないけれど」
 それでもとだ、愛生は友樹の悪意のない性格とこの機会を逃すとかなり先になるという言葉から悪いものではないと察して答えた。
「友樹君がそこまで言うなら」
「それならだね」
「ええ、土曜日にね」
 彼に微笑んで答えた。
「そうしましょう」
「そういうことでね」
「お弁当作って来るから」
 笑顔でこうも言った。
「その時は」
「そうしてくれるんだ」
「ええ、それで何がいいかしら」
「お弁当なら」
 それならとだ、友樹は愛生に目を輝かせて答えた。
「やっぱりお握りかな」
「お握りなの」
「そう、お握りだよ」
 これだというのだ。
「何といっても」
「友樹君お握り好きなの」
「というかお握りはね」
 それこそというのだった。
「もう王道じゃない」
「お弁当の」
「そうだよね」
「確かに日本のお弁当ではそうね」
 愛生も否定しなかった。
「やっぱりお弁当っていえば」
「そうだよね」
「ええ、何といってもね」
「お弁当が一番だよね」
「ええ、それじゃあお握りね」
「うん、僕はおやつ持って来るから」
 友樹は自分はそちらだと言った。
「楽しみにしていてね」
「おやつね」
「そう、やっぱりピクニックだと」
 これならというと。
「おやつは果物だよね」
「お菓子じゃなくて」
「外で食べる林檎とかバナナって美味しいからね」
「そうね、言われてみれば」
「甘い果物を食べて」
 友樹は愛生ににこにことして話した。
「甘い紅茶も飲んでね」
「そっちも持ってくるの」
「うん、アップルティーでいいかな」
「ええ、いいけれど」
「じゃあお握り食べて甘い果物と紅茶を飲んで」
「そうしてなのね」
「景色を楽しんで」
 そしてというのだ。
「僕が言うね」
「それもなのね」
「見ようね」
「ええ、じゃあね」
 愛生は友樹が自分に何を見せたいのかはわからなかった、だがピクニックに行くことだけでも楽しみなので期待している顔で頷いた、そしてだった。
 その日二人で動きやすい恰好で丘の上にピクニックに出た、晴れていて気温も快適でまさにピクニック日和だった。
 それで愛生は丘の上に向かう途中に友樹に笑顔で言った。
「もうまさにね」
「ピクニック日和だよね」
「そうよね」
「そうだね、ただね」
「ええ、十二時にはね」
「この天気ならね」
 友樹は空を見上げて笑顔で話した。
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