第26話 隠される真実
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は笑い声をあげた。ウォレスは恋愛もうまくこなしていて、深くなりすぎないように立ち回っている様だが、ブルースのお相手のアデレードは、良くも悪くも情熱的で、都合の良い相手になるつもりはないだろう。そういう意味で、ウォレスの予言は十分に実現する可能性もあった。
「ウォレスはなんでもそつなくこなすが、とうとう予言まで始めるのか?」
「違うぞジョン。むしろ事実だ。予言なんて大げさな物じゃない」
ブルースがドキリとした表情をするとまた笑い声が上がる。まぁ、もうすぐ妻帯者になる連中からしたら、返済期限が粛々と迫っている事を認めようとしないブルースの姿は、普段の奴が出来る事もあって、ここ最近の笑い話のひとつになっている。クリスティンと婚約していた俺と、もともとカトリナ嬢と付き合っていたローザスを除けば、この面々はあのダンスパーティーを通じてお相手と知り合った。任官する以上、万が一のこともある。俺が卒業と同時に結婚することをクリスティンから聞いたカトリナ嬢が話を広め、結果としてウォレスとブルース以外は妻帯者になる。俺としては人間関係に難ありだったファンがそこまで関係を育んでいたことが嬉しかった。
「まぁ、式を早めに上げられるのは幸いかもな。それなりに昇進してみろ。お互い任務で簡単に参加でき無いだろうし、式の席次も大変だぞ?格式も求められるだろうしな。ブルース、最悪の場合は結婚式に軍の上層部を呼びつけられるように昇進するからそれまで待て!とでも言ったらどうだ?」
フレデリックが茶化すように続ける。フレデリックがあのままシロンにいたら、まぁ、その手の事に悩みながら式を挙げることになっただろう。妙な説得力があって、また笑いを誘った。クリスティンとは、18歳の時に一時的に首席になった際に、そういう関係になった。もちろん避妊はしていたが、子供が早くほしいとも言われている。変に俺に気を使うクリスティンの事だから、そういう事はまだ気にしないでほしいと頼んだ。ただ、よくよく聞くと、ウーラント卿の意向もあるようだ。
士官学校を卒業し、任官すれば万が一の事もある。本来は俺の取り分としても良いウーラント商会の株10%もクリスティン名義にしている事もあり、俺達の間に子供がいなければ、ウーラント家の為に使い潰した様にも見える。そうしない為にも子供を早く作ってほしかったらしく、クリスティンをせっついていたようだ。
もっとも、戦地に赴いた夫を、一人で待つのは苦しい事だとも考えての事だから、俺も強くは言えなかった。市立経大を卒業すればウーラント商会で働くことになるクリスティンだが、子育ても合わされば俺が戦地に行くことになっても、だいぶ気がまぎれるだろう。20歳で結婚して子持ちか。前世と比較しても今世はだいぶ生き急いだ人生になりそうだ。
「んじゃ、残り僅かとなった学生生
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