第26話 隠される真実
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はしゃぎすぎたな......」
「そんなことはない。あれは知っておくべき事だ。どうする?お袋に掛け合って国防委員会を動かしても良い。バーラト原理派に借りを作りたくないなら、ウォーリックの所に動いてもらっても良いと思うが?」
代表なのか、ブルースが声をかけてくる。ウォレスに視線を向けると、同意する様に頷いた。ただなぁ、校長たちの言う組織の理屈にも一理あるんだよ。お前らと話してる間に、年甲斐もなく楽しくなってしまったが、確かにはしゃぎすぎたな。
「俺としては校長たちの誠意にむしろ感謝している。本当なら教官が握りつぶして別のテーマで論文を書かせても良かった。でもそうしなかったのは、問題になると判っていても、表現の自由・思想の自由を尊重してくれたんだ。あれが公表されれば、兵力や補給より、精神論を重視する連中がどう出るか?それを書いたのが辺境出身で、亡命者の婚約者ともなれば、大体想像がつくだろう?」
「残念な事実だが、その可能性はある」
ファンが応じ、亡命系であるフレデリックとヴィットリオも納得したように頷いた。ウォレスは肩を落とし、それを見たブルースとジョンは気まずそうだ。
「それに、あれを士官学校が公表するという事は、軍の公式見解と受け取られかねない。歳出の大半を占める国防費の事を考えれば、『数世紀我々は戦争に勝利できません』なんて言えないだろ?俺もまだまだ甘ちゃんだな。考えればすぐわかる事だ。ただ、お前らとの議論が予想以上に楽しかったからな。子供みたいにはしゃいでしまった訳だ」
俺が冗談交じりに応じ、肩をすくめると少しは落ち着いたようだ。思う所はあるだろうが、組織として言えないこともある。優秀なこいつらなら、理解できるはずだった。
「それに第三種機密指定だ。アクセス権があるのはそれなりに権限を持った連中だろう?あれを踏まえておくべき立場のお偉方の目に止まる可能性はむしろ高い。そういう意味でも校長たちは配慮してくれたのさ」
「カーク?そこまで読んでいたとかはさすがにないよな?」
「当たり前だろう?結果としては予想以上じゃないか?もうこの件はお仕舞にしようや。任官すれば下っ端に逆戻りだ。偉そうに後輩を指導できるのも今の内だけだし、卒業の後は結婚式のラッシュだろ?アデレードに結婚をせがまれるブルースの困り顔を楽しめるのも今のうちだ。任官すれば気軽に出来なくなるだろうからな」
「おい!ターナー。アデレードの事は言うな。この間なんてハイネセンで人気の式場にデートで連れて行かれそうになったんだ。俺はまだ身を固めるつもりはないぞ!」
「大丈夫か?未来の宇宙艦隊司令長官殿が戦死ではなく、アデレード嬢に背中を刺されるような事になりそうだが」
「ウォレス、お前が言うな!」
そんなやり取りを見て、俺達
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