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カーク・ターナーの憂鬱
第23話 ダンスパーティー
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宇宙暦727年 帝国暦416年 12月末
惑星テルヌーゼン ダンスパーティー会場
ジョン・ドリンカー・コープ

「コープ。もう食わんのか?それにしてもノンアルコールとはなあ。パーティーに酒はつきものだろうに」

「俺はお前ほど大食漢じゃない。それに未成年の男女が集まる場だからな。間違いがないようにって配慮だろ?もっとも俺は酒は受け付けないから、どちらでもよいが」

壁に背を預けている俺に、傍のテーブルに腰をおろしてターキーを頬張りながらベルティーニが声をかけてくる。ボクシング部に所属している奴は、今日もトレーニングをしていたはずだ。ダンスパーティーの日ぐらい頭を切り替えても良いとは思うんだが、それが強さの理由でもあるんだろう。
ただ、今日の分のたんぱく質が足りていないとか抜かして、ダンスパーティーに来ているのにターキーにパクつくのは如何なものか......。まあ、こいつらしいからとやかく言うつもりはない。俺自身も踊れなくはないが、ダンスはそこまで好きじゃない。半分ブルースに付き合って参加したようなものだから、テーブルに陣取ってターキーを食べるベルティー二の相手をするのは都合が良かった。

「それにしても、見事な流れが出来ているな。傍目で見ていると面白い」

「ん?流れ?」

こいつは冬眠明けの熊よろしく、ターキーに夢中だったようだ。俺の視線に気づいたのか?ダンスホールに視線を向ける。

「ああ、ターナーの事か。まぁ、もともとフレデリックが去年のパーティーで口を滑らせたのがきっかけだからな。うんうん、ファンも楽しめている様だし良い事だ」

そう返したと思ったら、また視線を皿に向ける。そろそろ食べきりそうな状況だが、まさかまたお代わりはしないよな。そんなことを思いながら、まず目に入るのはファンが音大生の一人と嬉しそうに踊ってるのが目に入る。少しでもファンの事を知っていれば、驚愕の光景だろう。事の始まりは、同じくダンスホールで踊っているジャスパーが口を滑らしたことに始まる。

前期試験の成績で、ブルースを初めて主席の座から引き釣り下ろしたターナーだったが、それまでも次席だったし容姿も含めて目立つ存在だ。もちろん音大でも話題にはなっていただろう。もっとも当人は婚約者の存在を理由に、去年のダンスパーティーに参加しなかった。このダンスパーティーで出会って結婚するカップルもいるから、婚約者持ちが欠席するのは道理だ。ただ、お調子者でターナー好きのジャスパーが

『あいつの社交ダンスはパートナーを引き立てる。イーセンブルク校の授業では、亡命派の淑女があいつをパートナーにする為に並んでいた』

と漏らしたことから事態が動き始める。思い出の1ページに一度パートナーになってみたい。そう考えた音大生たちが動き始めた。女性陣の情報網を持
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