第20話 合格発表
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ットリオが嬉しそうに声をかけてくるが、ウォリスは渋い表情をしていた。えっ、僕が受かってウォリスが不合格なんて......。
「考えている事は何となくわかるが、俺も合格しているぞ。俺が3位、フレデリックが4位、ヴィットリオが9位だ」
「すごいじゃないか。ならなんでそんな表情何だい?」
合格圏だった3人は、自分の受験番号じゃなく、合格順位の方に足を運んでいたようだ。ほらねカトリナ。僕と『三銃士』を一緒にするのはおかしいよ。不機嫌そうなウォレスを横目にフレデリックがやれやれと言うジェスチャーをする。
「我らが講師役殿が2位だったからな。席次で抜かして一泡吹かせたかったウォリス坊っちゃんは計画が狂ってご機嫌斜めらしい」
「それだけじゃない。あいつが首席ならまだ納得できる。ただそれ以上がいるというのも、どうも面白くはないだろ?」
うーん。まぁ、ウォリスは何だかんだカークに頭が上がらないし、気持ちも判らなくはない。でもウーラント商会の仕事もしながら士官学校対策をしてきたカークが次席って本当にすごい事なんじゃないのかな?そうウォリスに言うと、『そういう考えもあるが気持ちの問題』との事だ。
「さすがにランチには早い。カフェにでも行くか?メープルヒル校に合格報告に行くにも、時間が早すぎるしな」
「男だけでカフェか。まあ、しばらくは大人しくするつもりだし、よかろう」
そんな事を話しながら士官学校を後にする。肩を並べて進んでいく3人の背中を見て、僕は嬉しく思うと供に、寂しくも思った。士官学校の4年間は、カークも含めてこんな時間が続くだろう。でも任官したらそれぞれの場で任務に励むことになる。この数年は僕の人生で予想外の変化が起きたけど、意外とこの変化が自分の大切なものになっているのだと気づいた。
勿論、カークにも合格していた事を報告した。彼が次席だった事、僕が93位だった事も添えて。彼からの返信は『悪ガキどもは自己責任だが、フラウローザスには恩がある。アルフレッドが不合格だと俺も責任を感じただろう。朗報をありがとう。詳しくは夕食でな』という物だった。『キング』に『三銃士』以上に気にかけてもらっていた事実を知り、僕は変な喜びを感じるのだが、それはまた別の話となる。
宇宙暦726年 帝国暦415年 1月末
惑星テルヌーゼン 市立経済大学
クリスティン・ウーラント
「ふう。アルフレッドも合格だったそうだ。これでフラウローザスに不義理をしないですんだ」
「それは良かったですわね。でもアルフレッドさんも十分合格圏でしたのでは?」
私が受験した市立経大の合格発表を、ターナー様と弟のユルゲンと三人で見に行き、私の受験番号を見つけて、周囲にいた先輩方からも祝辞を頂いたりした後、名所と言われる欅の並木道を三人
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