第20話 合格発表
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、誰にも言っていないことがある。付き合って1か月記念に、サプライズで手品をしたんだ。カトリナは喜んでくれたけど、『アルフレッドに手品は似合わないから、私以外には見せないで』って言われた。みんなの前で何か披露するとしても、手品以外になるだろう。
「おっ、貴様らも来たのか。あれだけ励んだんだ。ちゃんと足を運ぶのが流儀だろうしな」
噂をすれば......。じゃないけど、向こうからウォリスが声をかけてくる。
「おう、ウォリス。お前が一人とは珍しいな」
「まぁな、取り巻き連中は全員が合格圏だった訳じゃない。俺は合格だろうが、不合格者にわざわざ足を運ばせるのも気分が良くないし、カタリーナとは別れたんだ。あいつ、俺の監視の為に音楽学校に行くとか言いだしてな。無関心なのも寂しいが、束縛されすぎるのもな。情熱的なのは良いが、こうなると大喧嘩だ。しばらくひとりでおとなしくするさ」
珍しく気落ちしたウォリスが、僕たちに並んで歩み始めた。カタリーナとはお似合いだったし、相思相愛だと思っていたけど、恋愛って難しい。暖かそうなカシミアのマフラーを巻いた首元に、赤い3本の線が見えた。ウォーリック家で猫は飼っていなかったはずだから、そういう事なんだろうな。
カトリナの家は、テルヌーゼンでもそれなりに資産家だ。嫁入り修行もかねて音大に進むんだろうと思っていたけど、僕の監視の為だったりするんだろうか?うーん。それはないだろう。いま肩を並べている3人は、メープルヒル校の女性陣の人気を集めていて、女性陣には『3銃士』って呼ばれていた。そして本人には伝えていないけど、この3人を一喝で従えたカークは『キング』って呼ばれているらしい。これはカトリナが小声で教えてくれたことだ。
既に婚約しているのを知っていたから断ったけど、何回か紹介してほしいって言われたこともある。そんな彼らから比べたら、僕は目立つ存在じゃないし、考えすぎだな。それに士官学校に入学したら、なかなかメープルヒルに帰ってくるのは難しい。音大なら敷地も隣接しているし、ランチも一緒に取れるかもしれない。僕自身は、カトリナの音大進学をむしろ歓迎していた。
そのまま、士官学校の校門を抜け、合格者の番号が張り出された掲示板に向かう。
「4431番は......。あった!」
「おお!合格おめでとう!!」
自分の受験番号を見つけて思わず声を上げると、在校生が駆け寄ってきて胴上げをしてくれた。気恥しかったけど嬉しかった。胴上げが終わって気を落ち着けて周囲を見ると、少し距離を置いて3人がこちらを見ている。そちらに向かうと
「アルフレッド、胴上げの様子を動画に撮っておいたぞ。あとでご両親に見せてやれ」
「席次も見てきたが、お前は93位だ。駆け込みで上位入学だな」
フレデリックとヴィ
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