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カーク・ターナーの憂鬱
第18話 中の上の志
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たとの事だ。思い返せば、あの日も目が赤かったと思う。
それを知った悪ガキ3人衆も、これ以降は揉め事を起こさなくなった。もしかしたらウォーリック商会のボディーガード陣との訓練の成果かもしれない。でも僕たちはターナーを通じてトーマスさんの話を聞いていた。志願し前線で戦う彼を尊敬もしていた。そんな彼の戦死を知って案外簡単に戦死するんだと肌で感じたことも大きかったと思う。

この頃に、僕は初めて自分なりに志みたいなものを立てた。同盟中の英才があつまる士官学校なら、メープルヒル校よりもっと優秀な学生が集まり、当然ぶつかるだろう。僕は主役にはなれない。でも主役になれる人材がぶつかり合って良さをお互い潰さないように、緩衝材のような人材になろうと思ったのだ。お人好しで後輩の面倒見も良かったトーマスさんが、もし士官学校に行っていれば、きっとそんな存在になっただろうから。
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