第17話 値付け
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甘えてばかりで恐縮なのですが、食品業界に精通した営業職と、企業立ち上げに関わった人事職でこれはと言う方がおられましたら、出向をお願いできれば幸いです」
「分かった。ただ、ウォーリック商会は独立を推奨している。長くても勤めるのは10年と思ってもらいたい」
どうせ協力を頼むならトコトンかじり倒せばよい。その分、恩を返せるときに返せばよいのだ。俺の意図に気づいた会長は苦笑していたが、商談の締めに握手を交わすときには笑顔だった。これで何とかウーラント家がテルヌーゼンに根を張る前提は整った。後は走るだけだ。なんとかウーラント卿に良い報告が出来る。そう思うと、不思議とクリスティンの笑顔が頭をよぎった。
ちなみにこの数日後に頭取とのアポイントで北極星銀行に会長のお供で行くのだが、その帰りのランチの際に、シーハン嬢の妊娠の可能性を知らされた。軍のDNAデータベースで血縁関係の確認をシーハン嬢にお願いしながら、ミラー家にどう伝えたものかと悩まされるのはまた別の話だ。シーハン嬢は看護師だから経済力もあったし、トーマスが戻るまで伝えるつもりはなかった。ただ、トーマスが志願兵である以上、その子弟は徴兵リストの下位になる。前線にいるトーマスの負担になりたくないとゴネるシーハン嬢を説得する方が、会長との商談より大変だったかもしれない。
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