第四部
それぞれの想い
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普通なら学園で授業中。
しかし【冬季龍帝祭】に出場する生徒は殆ど休学届けを出して姿が見られない。
本番までの半月で登校する者は皆無。
トーナメントに向けて自主的に鍛練したり、相手を用意して実戦訓練に励む。
【全領域戦争】で【団体戦】のメンバーに入り、【個人戦】への出場も有望視されている《橘花 翔/たちばなしょう》もその一人。
【夏期龍帝祭】の優勝者である翔は優勝した後で《江神春斗/こうがみはると》に戦いを挑み、敗れてしまっている。
冬季には春斗も出るらしい。
彼にリベンジすることを目標に、《立華紫闇/たちばなしあん》との再戦も目指す。
(全領戦の個人戦出場は正直どうでも良い。そっちは紫闇が出れば良いんだから。俺は春斗を倒すことだけを考えれば良いんだ)
翔は自身の目前に春斗を投影しながらシャドートレーニングに没頭した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
《クリス・ネバーエンド》が日本で住んでいる屋敷の地下には広大な空間が有る。
そこはトレーニングエリア。
最先端のトレーニングマシンや公式戦と同じく結界/バリアの発生器も置かれた闘技場まで備わっているのだから驚くしかない。
クリスはスパーリング中。
地下には姉の《エリザ・ネバーエンド》や弟分の《レックス・ディヴァイザー》も居るのだが、二人はクリスの相手ではない。
もう戦うまでもなかった。
それほどにクリスが強くなったのだ。
そんなクリスが召喚した無数の銃火器で攻撃される相手は魔晄防壁で受け止めながら素手で攻撃を払い除けていく。
「いやー本当に強くなったね」
《イリアス・ヴァシレウス・グラディエ》
イギリスから亡命してきた本国で史上最高の【魔術師】であり【魔神】
クリスの幼馴染みにして自国の【古代旧神/エルダーワン】を殺した男。
クリスがわざわざ魔神のイリアスに来てもらったのは紫闇に恩を返すため。
彼女は紫闇のお陰で姉と和解できただけでなく、弟分を救ってもらった。
(だから今より強くなって紫闇が震えるくらいの戦いをした上でブチのめす!)
闘技者の師弟であり、好戦的な紫闇とクリスにはこれが恩返しになるのだ。
だがそれだけではない。
クリスは紫闇を好きになった。
恋愛的な意味で。
自分の虜にしたいのだ。
視線を釘付けにしたい。
その感情を向けてほしい。
彼の心に自分を刻みたい。
「振り向かせてあげるわッ!!」
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