第8章:拓かれる可能性
第255話「情報整理」
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を封印とは、それはつまり……」
「いや、飽くまで応急処置のようなものじゃ。確かにイリスからの干渉をいくらか防げるが、絶対とは言えぬ。こちらも、あちらも、準備を整える時間が必要じゃ。封印は、その間の奇襲を防ぐ役割でしかない」
これ以上神界から攻められないのかと、リンディは考えたが天廻に否定される。
「道を封じたのは時間を稼ぐためです」
「一応、この世界にとっては時間を稼ぐだけでも十分なんですけどねー」
「……?それってどういう……」
まるで勝つ必要はないと言われたようで、アリシアが聞き返す。
サフィアがそのまま答えようとして、優輝がそこで制した。
「そこから先は情報整理した後に話そう」
「……そうですね」
仕切り直す。ここからが本題とばかりに、全員が姿勢を改める。
「……全ての始まりは、イリスが生れ落ちた時に遡る」
イリスは、“闇の性質”を持つ神としては最年少だ。
他にも同じ“性質”の神はいたが、イリスはその中でも一際“性質”が強かった。
神として幼いながらも強かったイリスは、“性質”に囚われていたのだ。
「“闇の性質”故に、イリスはその闇で全てを支配してしまいたいという欲求に囚われた。そういった“性質”だからこそ、そうするべきだと考えたんだ」
確かに“闇”というのはそう言ったモノをイメージする。
イリスもその例に漏れず、そうするべきだと思ってしまった。
「……なまじイリスはずば抜けて優れていたために、神界は混乱に陥った。本来、洗脳されるはずのない神すらも洗脳するイリスを、すぐさま対となる“性質”……“光の性質”を持つ神が危険視し、大規模な戦争となった」
イリスが生まれたのと時を同じくして、対となる“光の性質”の神も生まれていた。
その神も一際強く……それ故に、イリスの危うさにもいち早く気づいていた。
「戦いは激化し、神界の半分以上の神が“領域”を砕かれた。……幸い、それほどの戦いでも“領域”が消滅するとまではいかなかったが」
規模で言えば、地球のどの戦争よりも大きかった。
“光”と“闇”がぶつかり合い、その被害は甚大だった。
「その戦いを終結させたのが―――」
「……貴方なのね、優輝」
優香が優輝の言葉に続けるように言い当てた。
「……聞いていたんだな」
「大まかな流れは、ね」
現実味はなかったのだろう。
それでも、自身の子供がそんな経験をしていると知って、優香だけでなく光輝も複雑な思いを抱いていた。
「“可能性の性質”を持つ神は複数いる。出力だけで言えば、僕より上の神もいた。……それなのに、僕がイリスと戦えたのは、“性質”が特殊性に長けていたからだ」
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