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レーヴァティン
第百六十四話 幕臣その十三
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だ。
「人は生きていて意味がある筈だ」
「必ず老い死ぬからこそ」
「その中でどうして生きていくか考えるからな」
 だからこそというのだ。
「人は生きる意味があって得られるものもだ」
「ありますか」
「俺はそう考えている、では起きたからな」 
 英雄は立ち上がった、これまでは床の上に座していたがそうした、そのうえで後ろにいる妻に述べた。
「また生きる」
「これからですね」
「その中ですべきことをしていく」 
 こう言ってだった。
 英雄は窓を開けた、そうして身体全体で朝日を浴びたのだった。そこから生きることをはじめるかの様に。


第百六十四話   完


                 2020・6・1
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