第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第51話 シスターウォーズ エピソード4/4
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勇美の機転でフランドールが精製した光の矢を奪い、その勇美の計らいに応えるためにレミリアはそれを利用して新たなるスペルを作り上げたのだった。
「【鋸刃「スタースロー」】!」
そして、作り上げた光の丸鋸をレミリアは渾身の力で放り投げたのだった。勇美の心意気をその身に乗せる意味でも。
そしてその鋸刃はフランドール目掛けて空から地上へと一直線に突き進んだのだ。それは星の力を使っている為に、正に『彗星』と呼ぶに相応しい代物であった。
眼前にその彗星が迫った事で、ようやくフランドールは我を取り戻し、腕を交差して防御体勢に入ったのだ。
だが、そんなフランドールを見てレミリアは口角を上げた。
「甘いわね、フランに取り憑いている奴め。本来のフランならそんな浅はかな事はしないわ!」
そう言ってレミリアはビシッとフランドールを指差した。
「ソレハドウイウ意味ダ……」
レミリアの言葉の意図が汲み取れず、フランドールは当惑する。
その答えを彼女は、フランドールの身体を以て知る事になる。
そして、遂にその鋸刃はフランドールへと接触したのだ。
それに対して彼女は慌ててはいなかった。
吸血鬼であるこの肉体がある上に、防御体勢まで取ったのだ。最早完璧な鉄壁だろう。
そう完全に自分の身の安全を確信していたフランドール。
だが、その読みは見事に裏切られる訳であった。
「!?」
漸くフランドールは異変に気付いたようだ。
「グアッ、コノ威力ハ!?」
そう、フランドール自身の吸血鬼としての耐久力を以てしても、彼女自身の力に耐える事が出来なかったのだった。
「馬鹿ナ。痛イ、痛イゾ、クソガッ!」
下品な言葉を吐き散らしながら呻くフランドールを乗っ取った者。
「浅はかね。フランドールなら、自分の力が自身を滅ぼしかねない事は分かっているわよ!」
そう、精神的に幼いフランドールであっても、彼女なら自分の恐ろしさがいかほどのものかは本能的に把握しているのだ。
それが、他人を操っている『この者』には分からなかったという事である。
「痛エ、痛エヨッ。グアアーッ!!」
フランドールがおぞましい呻きをあげる中、光の丸鋸はガリガリと容赦なく持ち主を抉っていったのだ。激しく火花が舞っていた。
そして、一頻り丸鋸はフランドールを抉ると、最後の仕上げだと言わんばかりに盛大に光と熱を放出し始めた。
「何ガッ!?」
フランドールが驚愕の様相を晒すと同時、エネルギー量の膨張した光輪は、後は任せたとでも言うかのように、爆発を起こしたのだった。
「グギャアアアアーーーッ!!」
耳障りな悲鳴をあげて、フランドールはすっぽりと爆発に飲まれてしまった。
その最中、レミリアは地上へと降り立った。
そして勇美はそのレミリア
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