第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第51話 シスターウォーズ エピソード4/4
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った力なのだ。
そして、この力は彼女を取り巻く環境には余りプラスにはなっていないのだ。
非常時には紅魔館の切り札ともなる力であれど、普段はその住人だけでなく幻想郷全体からも危険視され、彼女を孤独に追いやっていると言えよう。
更には今回こうして、何者かにその力に目を付けられて利用されてしまったのだ。
だから依姫は切実に思う。自分の糧になる力を持った者がすべき事は、望まぬ力を持った者へ手を差し伸べる事だと。
そう思いを馳せていた依姫の神降ろしによるスペルは完成していた。
「【神符「一筋の光の手」】……」
依姫は飛び道具に出来ない天照大神の力を右手に纏う事で腕の装備のように扱ったのだ。そこに伊豆能売の癒しの力が加わる。
それをフランドールの胸元へと優しく押し当てたのだ。さながら彼女を宥めるように。
「より……ひめ……」
その力をフランドールはうっとりとしながら受け止めていった。
本来は太陽の光は吸血鬼にはご法度である。しかし、伊豆能売の力も織り混ぜている為に、あらゆる生き物に対する癒しの力へと変貌していたのである。
だが、例外もあった。フランドールに取り憑いた邪悪な存在はこの力により追放されるのであった。
「ゲギャアアアアーーー!!」
断末魔の叫びのような呻き声をあげながら、その邪悪な存在の気配はみるみる内にフランドールの中から消滅していったのだった。
「ああ……」
そして、つぶらな瞳の輝きを取り戻したフランドールは穏やかな寝顔を見せながら依姫の胸の内で眠りにつくのだった。
そして、気が付けばまやかしの夜空は無くなり、元の地下牢に戻っていた。
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