第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第51話 シスターウォーズ エピソード4/4
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そう、勇美が鋼と光で精製した物の形状は、レミリアの物にも負けず劣らずの大剣なのであった。
「名付けて【十字剣「フラガラッハ」】ですよ♪」
「あなたはボケないのね……」
「それ要求しますか?」
露骨に嫌そうな顔を勇美はした。折角新しい武器を作り終えた達成感に水を指されたようなもやもやした心持ちとなってしまった。
「冗談よ、冗談」
「勘弁して下さいね〜……」
レミリアに弁解されて、勇美は徐々に気を持ち直していった。
「それはさておき、あなたが直接武器を持つなんて初めてでしょ」
「ええ、この機会は逃してはいけませんよね」
勇美は意欲的にそう言った。彼女が一度自分の力で創作物の主人公のように武器を持って戦いたい。その渇望を今依姫と神が叶えてくれようとしているのだから。
その事をレミリアも察したようで、憮然とした笑みで勇美を見据えながら言う。
「心構えは十分なようね」
レミリアが今自信に溢れている理由の一つがそれであったのだ。
それこそが、勇美という意欲的な相方を今持っているからなのだ。
そして、機は熟したようだ。二人は互いに微笑み合い、言った。
「準備は万端のようね」
「ええ、いつでもどうぞ」
言い合って二人の剣士は互いにそれぞれ、立ち位置を展開した。
その二人の視線の先には、目的の対象であるフランドールの姿があったのだ。
「フランを乗っ取った相手はそうそう隙を作ってはくれないだろうから──チャンスは一回よ」
「ええ、分かっています」
二人には先程のようなふざけた態度は無くなっており、真剣そのものの体現をしていた。
「行くわよ!」
「はい!」
刹那、二人は弾かれたように飛び出していったのだ。
レミリアは自身の身体能力と飛翔能力により、勇美は祗園様の加護を授かり人外の力を手にしたその肉体の腰と脚の力を用いて。
射出されるように飛び出した二人は、フランドールを軸に交差するように向かっていったのだ。
その交わる瞬間、二人は間髪入れずにスペルを宣言した。
「「【連携「アネックス斬り」】っ!!」」
そして二人は、鋼と光の剣と、紅き闇の剣を同時に振りかざしたのだった。それは正に呼吸が見事に合った巧みな技であった。
光と闇の力を、フランドールは同時に叩きつけられる事となった。黄金色と赤黒色のエネルギーの爆ぜが、大理石のように綺麗に混じりながらフランドールを襲ったのだった。
「グギャアアアアーーー!!」
取り憑きし者はフランドールという器を以てしても、苦悶に打ちひしがれて絶叫した。
その間にも奔流は続き、フランドールを抉っていったのだった。
だが、それも漸く収まったようだ。
「グウ……ググゲ……」
そこには満身創痍で苦しそうにするフランドールの姿があった。
「ま
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