第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第51話 シスターウォーズ エピソード4/4
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はニヤニヤしながら見て言った。
「もう〜、レミリアさんったら素直じゃないんだから〜♪」
そう悪ノリしながら勇美はレミリアの体をツンツンとつつく。
「うっさい、殺すわよ。『レミリアストレッチ』!」
「うぎゃああ! ギブ、ギブ!」
芸術的な関節技をキメられ、勇美は苦悶の声を絞りだした。
そんなじゃれ合う二人を見ながら、やはり依姫は微笑ましい気分となっていたのだった。
そんな気持ちを抱きながら、依姫は行動を起こした。
「まずは、『祗園様』よ、勇美に力を与えたまえ!」
言って依姫は屈強な体躯を持つ英雄神へと呼び掛ける。
「!」
そして勇美は気付いたようであった。その神の加護を、自分の肉体が受けた事に。
「あああ……」
勇美は感じ取っていた。自分の体に力がみなぎるのを。
「勇美、感じたようね。これが祗園様の力、【力符「荒ぶる神の膂力」】よ」
「ええ、抜かりなく力の脈動を感じます。それはもう筋肉で服が破けるかと思った位ですから」
「そんなネチョにはならないから安心しなさい……」
依姫は勇美の卑猥な発言に頭を抱えながら突っ込みを入れた。
そんな中、勇美は口を開く。
「でも、ありがとうございました。この力で今まで出来なかった事が出来そうです」
今まで勇美は自分の人間としての力の範疇の中で戦ってきたのだ。故に出来る事が限られていたのだ。
無論、その中での創意工夫、試行錯誤が勇美の技量に磨きをかけていく事になったのだが。
だが、今は依姫の神降ろしによる助力によりその範疇を超える事を出来るのだ。その事を利用しない手はないだろう。
これで勇美へのサポートは整った。後は……。
「次はレミリア、貴方の番よ」
「野郎……依姫……」
「いや、その返答はおかしい」
突っ込み所が多すぎた。まず依姫は女性であるし、手助けしてくれる相手に言う言葉ではないし、そして寧ろそれは吸血鬼に対して言う台詞であってレミリアが吸血鬼だから本末転倒なのであった。
閑話休題。そしてレミリアは仕切り直しを行う。
「冗談よ、冗談。お前の施し、有り難く受けさせてもらうとするよ」
そうレミリアは彼女なりの感謝の示し方で応えてみせた。
今までのレミリアであったら、面白くない話であろう。誰かの手助けで戦うなどとは。
だが、今の彼女は豊姫との関わりにより、そのような自尊心を捨て去る術を身に付けていたのである。
大切なものを守る為には、多少なら手段は選ぶ必要はないのだ。寧ろ、下手な自尊心や手段に囚われて大切なものを守れなくなったでは本末転倒というものである。
「では行くわよ。勇美とは違って『貴方向け』にさせてもらうわ」
そう言って依姫は次なる神に呼び掛けた。
「『月読』よ。この人ならざる者に比類なき力を与えたまえ!」
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