第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第51話 シスターウォーズ エピソード4/4
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に声を掛けた。
「レミリアさん、やりましたね」
フランドールの事はいたたまれないと思いながらも、勇美はそうレミリアに言った。
これでフランドールを止めて、彼女に取り憑く者を追い払えたなら喜ばしい事なのだから。
「……」
だが、レミリアの表情は芳しくなかった。
「……レミリアさん?」
どうした事かと勇美はレミリアに呼び掛ける。
「……勇美、フランを侮ってはいけないわ」
レミリアはそうポツリと呟いた。
「……?」
勇美はレミリアが言わんとしている事の意味を察する前に、気付いてしまったようだ。
「あ……」
それを見て、勇美は愕然となってしまった。
爆煙が収まったそこには、自分の技のダメージを受けながらも、尚も立っているフランドールの姿があったからだ。
「ヨクモ……ヨクモヤッテクレタナァ……!!」
口から涎を撒き散らしながら、猛々しく吠えるフランドール。恐ろしい事に、まだ余力があるようであった。
「そんな……」
その様子に勇美は呆気に取られてしまう。
次の手をフランドールに打たれたら、最早勝機はないかも知れない。
そう思っていた矢先、その一部始終を傍らで見守っていた者から声が掛かった。
「勇美、レミリア。貴方達はよくやったわ。これから貴方達に力を貸します」
「依姫さん……?」
勇美はその者の名前を呟いた。他でもない、いつも勇美の成長を促し見守っていた綿月依姫その人の名を。
だが、勇美はその依姫の申し出に引っ掛かる所があったのだ。
「でも、これは私達幻想郷の者達で解決しなければならないんじゃないんですか?」
それが、勇美の抱く懸念材料であった。
折角依姫が自分達の力で解決する為の手解きを施してくれたのに、ここで助けられては本末転倒ではなかろうかと。
そう思う勇美であったが、ここで依姫は言った。
「いいえ、貴方達は十分に幻想郷に住まう者としての責務は果たしました。
ここまで貴方達だけの力でやり遂げられたのですから。
幻想郷を守るには問題ない活躍を見せました」
そう言った後依姫は一呼吸整えてから続けた。
「ですが、『万が一』の事はあってはならないわ。幻想郷は確実に守られなければいけない。だから私は今貴方達に力を貸すのです」
言い終えて依姫は勇美と依姫に微笑んでみせた。
その瞬間、勇美は嬉しくなった。今までの自分達の活躍を依姫に認められたのだから。
「ふん……」
対して、不貞腐れるような態度を取るレミリア。やはり彼女は自尊心が高い為、誰かに認められるという上からのような態度は好きではなかったのだ。
だが、今回内心は満更でもないと感じているのだった。それは依姫を霊夢以外に自分に一泡吹かせた者として認めているからであった。
そんなレミリアの様子を、勇美
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