第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第50話 シスターウォーズ エピソード3/4
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フランドールとの交戦の最中、突如として辺りにヒビの入る音を耳にした一同であった。
それに対してレミリアは何気なく天井に目を向けたのである。
「!!」
その瞬間レミリアは息を飲む事となる。何故なら……。
「まさか、天井に……!?」
「どうしたんですか、レミリアさん?」
様子のおかしくなった相棒へと、勇美は声を掛けた。
「勇美、上を見てみなさい」
そう言ってレミリアは勇美に目配せをした。
それに従い勇美も天井へと目を向ける。
「えっ!?」
その瞬間、勇美もひっくり返りそうな声を出してしまった。
二人が驚くのも無理はない。ヒビが入る音が響いて来たのは他でもない、天井からだったからだ。
そこには本当に割れ目が生まれていたのだ。それも、地割れのようにざっくらばんと盛大に。
そして、気付けばその亀裂はみるみるうちにその規模を広げていったのだ。
それが一頻り進むと、とうとう天井はガラスの割れるけたたましい音を撒き散らしながら派手に木端微塵となってしまった。
「そんな、天井が……」
その目を疑うような光景を目の当たりにして、勇美は後頭部を殴られるような衝撃を頭に送られていた。
勿論レミリアも冷静さを装っているが、彼女の心境も同じであった。
そして、天井が割れた先には漆黒の闇と、それを彩る、ダイヤモンドの如くちりばめられた星々が幻想的に輝いていた。
「?」
だがその最中、何かおかしい事にレミリアは気付いたのだ。
何と言っても、ここは地下牢なのだ。
そう、本来なら破られた天井の上には、上の階があって然るべきなのだ。
だがあるのは、澄み渡った一面の夜空なのである。
これが意味する所は。
「フランに取り憑いている奴、どうやら空間を破壊したみたいね」
そうレミリアは答えを出した。
どうやら本当に天井が壊された訳ではなく、フランドールの能力で一時的に天井部分が異空間に繋げられたようであった。
だが、それは実際に天井を壊された訳でなくて一安心……とはとてもいかなかったのだ。
「……恐ろしいですね」
そう勇美が言い表す通りであった。今のフランドールの力が規格外の代物となっている事を嫌でも痛感させる事態にしかなっていないのであった。
「ええ、こんなのフランじゃないわ」
レミリアもそう言い切った。目の前にいるのはフランドールの姿を借りた『化け物』でしかないと。
そう二人が空気を張り詰めさせていると、フランドールに動きが生まれたのである。
「フフフ……ソノ様子デハ我ガ、単ニ力ノ見セツケニ空間ヲ破壊シタヨウニ思ッテイルヨウダカラ見セテヤルヨ」
そう言った後、フランドールは両手の手のひらを眼前でピタリと合わせた。
「?」
何をする気なのか。勇美は息を飲んでその様子を見守っ
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