第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第50話 シスターウォーズ エピソード3/4
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の力と、予測不能な勇美の機械生成が合わさると、こうも奇想天外な事態になるのかと。
幻想郷広しと言えど、──守矢の巫女が言うように、正に常識に囚われてはいけない場所である──これ程までに異端の力はそうは生まれないだろう。
紅魔館の発展の為にも、この二人とはこれからも友好的に接していくべきだなとレミリアは心の底で黒ずんでいながらも美しい炎を燃やすのだった。
閑話休題。そのようにレミリアが今後の方針を心の中で打ち立てている最中にも、勇美の『激しい防戦』は続けられていた。
そして、終わりというものは例外なくやってくるもの。フランドールの攻撃の波も徐々に収まりを見せ始めたのだった。
「クッ、打チ止メカ……」
そう苦々しげにフランドールは呟いた。そうしている間に、とうとうスターボウブレイクの攻撃は止んだのだ。
「コウナッテハ仕方ガナイ」
言うとフランドールは次なる動作に移ろうとする。
その行動は再び光の弓と矢を現出させるというものであった。再度彼女は光弾の隕石爆撃を行う算段のようだ。
そして、フランドールは最初の時のように弓を持ち、矢に手を掛けた。その時であった。
「【奪符「冥府行き決定の所業」】!」
その掛け声と共に、フランドールの持つ矢が、何かによって弾かれたのだ。
「!?」
何事かと驚愕するフランドール。気付けば彼女は手から矢を手離してしまっていた。
そして、フランドールの手から矢を弾き飛ばした存在は、空中を巧みに動き、宙に舞っていたその矢を見事にキャッチしていたのだ。
そう、天子から緋想の剣を奪って持ち主を勝機に導いた『盗みの手』は、今回も見事に功績をあげたのだった。
フランドールから光の矢を奪った『手』は、今回は持ち主の所に帰る事はなかった。
その奪った光の矢を、レミリアに手渡すように投げたのである。
そして、勇美は彼女に呼び掛ける。
「レミリアさん、それを使って下さい!」
そう勇美は言った。その訳は勇美は非力な人間であるからだ。
今では神降ろしの力を借りて移し身の機体を存分に操れるようになった。その力を使えば有効な反撃も自身の手でお見舞い出来るだろう。
だが、勇美は初心を忘れてはいなかったのだ。故に、奪った光の矢をより有効に使えるのは自分ではないという考えに至ったのだ。
「ナイス判断よ、勇美♪」
レミリアも、そんな粋な計らいを見せた勇美を労い、親指を上に立てて見せた。
そして、奪った相手の武器を手にするという、吸血鬼である自分でも中々経験出来ない事態に出くわしたレミリア。
だが、彼女は一切迷う事はなかったのだ。
何故なら彼女は運命を操る能力の持ち主だからだ。故にいつかこういう事態になる事も彼女にとっては折り込み済みであったのだった。
「さあ、これをどう使おう
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