第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第49話 シスターウォーズ エピソード2/4
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しかし、その勘を目の前の勇美は取り戻させてくれたのだ。
勇美自身には、そのような狙いは毛頭なかったかも知れない。
であれども、勇美には本人が気が付かない内に周りの者達をさり気無く良い方向に導く『何か』があるのかも知れない。その事に対しては一番彼女の側にいる依姫も感じている事だろう。
そして、光の収まった勇美の手には、鏡が現出されていたのだ。
「……何よそれ?」
レミリアは唖然としてしまった。それには突っ込み所が多かったからである。
まず、鏡と言えど、その持ち手は棒のように長いのだ。まるで金魚掬いの網と虫取り網の形状と足したような、極めて珍妙な物であった。
次にである。
「何で二つあるのよ」
「どうですか♪ これが『ジェミニ』様の力ですよ♪」
勇美は胸を張って、どうだと言わんばかりの態度を取って見せる。
──ジェミニ。双子の語源ともなっている、その名の通り双子の神である。故に勇美が顕現させた機械仕掛けのアイテムも双子誕生の如く二対となったのだった。
その事を勇美はレミリアに説明すると、彼女は「問題はその事ではないわ」と言った。
「私が聞きたいのは、二つにした理由よ」
それは尤もな事であった。勇美自身が使うアイテムなら、一つで十分な筈である。──妖夢のように二刀流にでもするのなら別であるが。
「それはですね〜、これ、是非ともレミリアさんにも使って欲しいなぁ〜って」
「! そういう事か♪」
それを聞いてレミリアは心弾むような気持ちとなったのだ。
自分だけではなく、相方にも楽しんでもらいたい。その粋な計らい、嫌いじゃないとレミリアは上機嫌となるのだった。
「面白い事考えてくれるじゃない、それじゃあ有難く使わせてもわうわ♪」
レミリアはいい気分に浸りながら勇美からその謎のアイテムを受け取る。
そんなやり取りを凶暴に豹変したフランドール『達』が黙って見ている筈もなかった。
「茶番ハ済ンダカ?」
「大概ニシトケヨ、クズドモ!」
「死ネ!」
フランドール軍団は口々に憎しみの混じった台詞を言い合うと、一斉に両手を構えると、紅色の弾を次々に発射したのだった。
「レミリアさん、早速来ましたよ!」
「ああ。でもこれはどう使えばいいのかしら?」
「それは、直感が示す通りにすればいいですよ」
勇美はざっくらばんとそうレミリアに言った。
説明にしては余りにも大雑把だろう。しかし、勇美の一言でレミリアは合点がいったようであった。
「だったら、これしかないわね!」
そう言ってレミリアは足を踏み込み、蝙蝠の翼の力も加えて一気に加速して弾の一つに突っ込んでいったのだ。
そして、手に持った謎のアイテムの先端が弾に当たるように振り翳したのだった。
次の瞬間、フランドールの弾はパコーンという非常
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