第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第49話 シスターウォーズ エピソード2/4
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エネルギー弾を発射するが、それをレミリアは勿論、勇美も巧みにかわしていったのだ。
勇美は先程のような得体の知れない罠なら自身の機械の写し身を利用しなければならないが、普通の弾なら自分の力で避けられるようになっていたのだ。彼女とて伊達に弾幕ごっこはやってはいなかったのだ。
「あなた、結構やるわね」
「ええ、弾幕ごっこと依姫さんの稽古の賜物ですよ♪」
そう。それに加えて彼女は月の英雄の英才教育まで施されているのだ。つまり、勇美が今まで得て来たものは大きいという事である。
「それは頼りになるわね」
「お褒めの言葉、光栄です」
言葉のキャッチボールも滑らかとなる勇美とレミリア。だが、ここでレミリアの表情が真剣なものとなる。
「でも、油断しない事ね……」
「ええ、分かっています」
勇美もシリアスな面持ちとなる。それには訳があった。
それは、フランドールが最初のスペルのクランベリートラップ以降、全くスペルカードを使用していない事にあった。
そう、まるで。
「私達、遊ばれているわね」
「はい……」
レミリアの意見に、勇美も同意するのだった。
──相手の遊びに付き合わされている。それが今の状況の如実な表現方法であった。
確かに普段のフランドールにも、そういう所はある。彼女は無邪気が故に、遊び好きなのだから。
だが、今の彼女は違った。言うなれば『私を楽しませなさい』という上から目線の念が込められているかのようであった。
フランドールは遊び好きであれど、それは自分自身の力で楽しもうとする姿勢を見せるのだ。断じて他者を自分を楽しませる為の道具としては利用したりはしないのである。
だが、今の何かに取り憑かれたフランドールは違った。まるで、ぶくぶくに増長した自己愛から生まれる支配願望を体現しているかのようであったのだ。
そして、とうとうフランドールの第二波が発動される事となった。
にんまりとフランドールはこびりつくような笑みを浮かべながらスペルを宣言する。
「【禁忌「フォーオブアカインド」】」
その宣言によって発現した現象に、勇美は驚愕する事となる。
何と、フランドールの肉体が、立体コピーをしたかのように綺麗に四つに増えたのだから。
「フランちゃんが、四人……!?」
「勇美は初めて見るのだから、驚くのも無理はないか……」
驚く勇美に対して、レミリアは達観した様子でいた。
肉体が四つになるという事態は、さすがの吸血鬼の視点から見てもそうそう起こりうる事ではないのだ。
だが、やはり肉親だからとでも言おうか、レミリアは最早慣れた様子であった。
そんなそれぞれの思惑になる二人をよそに、フランドール……いや、フランドール『達』は一斉に砲撃の準備を勇美とレミリアに向けた。
「ケケケ……」
「
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