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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第48話 シスターウォーズ エピソード1/4
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アは彼女を地下に幽閉しているのだ。
「フランちゃんにそんな力が……」
「話していなくて悪かったわ。あなたは関わらなくていい事だと思っていたから」
 そう言ってレミリアは普段他人に見せる事のない、申し訳なさそうな表情を見せた。
 だが、彼女は心機一転し、今度はふてぶてしい笑みを見せて言った。
「でも勇美はよくやってくれたわ♪ お陰でフランに隙が出来たわ!」
 そう言ってレミリアは飛び上がり、勇美の上を飛び越えて行った。
 言い方は悪いが、レミリアは今の勇美を利用する形を取ったのだ。
 目的の為──妹を助ける為──その為には例え友人であろうとも利用する。それがレミリアのやり方なのであった。
 そして、利用された勇美の方もその事を察したようだ。
 大切なものの為に手段を選ばない『悪』を勇美は心掛けているのだ。だから今のレミリアには自分に通じるものを感じ取る事が出来たのだった。
 気付けば二人は目配せをしてコンタクトを取っていた。──これからもお互い、いい友人同士でいられるだろうと。
 そのままレミリアはフランドールの頭上からスペルカードを宣言する。
「【必殺「ハートブレイク」】!」
 言ってレミリアは手に紅い槍を現出させ、フランドール目掛けて投げ付けた。正に吸血鬼を退治する為に心臓に杭を突き立てんばかりに。
 グングンとスピードを上げながら、槍の投擲はフランドールを的確に捉えていた。
 当たった、そうレミリアは確信するが……。
「フン……」
 彼女は鼻で笑いながらその槍に合わせて手を翳すと、あろう事かその槍を素手で掴んでしまったのだ。
「ハッ!!」
 そして掛け声を出して力むと、その槍は粉々に砕けてしまった。
 槍は霧のようにかき消える。
 更に悪い事に、フランドールには傷一つ付いてはいなかったのだ。そう、槍の矛先を直に掴んだ右手ですらまっさらな無傷なのであった。
「参ったわね……」
 毒づくように呟くレミリア。
 それは、やはり今のフランドールが普段の彼女以上の力を有しているからに他ならなかった。
 いくらレミリア以上の力を有しているとはいえ、先程のような連携で仕掛ければさすがのフランドールでも押されるだろう。
 だが、今のフランドールドールはそんなの茶番だと言いたげに軽くいなして来るのだった。
 レミリアの様子を見て、勇美は指摘する。
「その様子だと、今のフランちゃんの力は相当異常なんですね」
「それはもうね。何でこんな事になったんだか……」
 レミリアはそう言い自分を顧みる。
「自分は何もフランドールに恨まれるような事はしていない」これは嘘になる。
 どんな理由があれど、フランドールを地下に押し込めて窮屈で孤独な目に会わせているのだ。
 だが、この力は何なのか。
 恨みは時に強大なエネルギ
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